ずいぶん前に
という記事を書きました。
今回はその続きで、「大腰筋後部繊維」について書きたいと思います。
大腰筋は胸椎12番・腰椎1~4番から大腿骨の小転子まで、骨盤を通過して背骨と脚をつないでいる筋肉です。
前部繊維の作用は股関節の屈曲(膝を股関節の方に曲げてくる)、脚が固定された状態では脊柱の伸展(そり腰、でっちりの方向)が主な作用となりますが、タイトルにもあるとおり、どうしてこの大腰筋が姿勢を保持する筋肉なのかと言うと、後部(深部)繊維は椎体、椎間板、横突起にそれぞれ付着し、多裂筋と共に、「腰椎が恥骨の方へ引っ張られないように」支えているからなのです。
同じ大腰筋なのに、作用が反対のような感じがしますね。
もともと腰椎は前湾といって前にカーブを描くデザインを持っています。
もちろんこれはどこまでも強くカーブを描けばいいものではなく、ほどよいカーブを保ち、さらには椎間板の栄養補給や循環のためにも減圧される必要があります。
これを多裂筋と共に大腰筋の後部繊維が担ってくれているのです。
大腰筋は内側弓状靭帯という靭帯を通じて横隔膜とつながっています。
これは呼吸と大腰筋とのつながりがあることを示し、呼吸と骨盤についての記事に書いたエクササイズでも、大腰筋後部繊維を感じることができます。
息を吸った時と吐いた時に骨盤から横隔膜の間で起こること - Yukikoのブログ
また遠位で小転子に付着している部分から、大腿骨頭を寛骨臼に深く引き、その適合性を高める役割も果たします。
大腿骨頭が寛骨臼にうまくはまっていないと、その周りの関節や靭帯を痛めることがあります。なんか股関節の奥が痛いなぁ。と感じたことがある方もいるのではないでしょうか。
なぜ大腿骨頭が寛骨臼にうまくはまらないのかというと、例えば腰を丸めた姿勢で座っていたり、骨盤を後傾させる癖がある方の場合、大腿骨頭が前に移動してソケット側の関節にぶつかったり摩擦が起きることで関節周辺を知らず知らずのうちに摩耗させ痛めてしまっていることがあります。
バレエなどのダンスでドゥバンやアラセゴンに高く脚を上げて止まりたいのに、柔軟性は足りているはずなのに支えられない、という場合は、大腰筋の使い方がうまくいっていない、ということも考えられます。
もしも後部繊維がうまく機能せず、前部繊維が強く拘縮している場合、立位で骨盤が前傾し(反り腰、でっちりのような状態)、大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)もまた拘縮してしまいやすくなります。
また片側だけが拘縮している場合、例えば右だけが拘縮すると腰椎は左へ回旋し、腰椎の前湾が深くなります。
大腰筋後部繊維を目覚めさせるためには、大きな力は必要なく、自重でも十分に感じることができます。
簡単なエクササイズをひとつご紹介します。
仰向けに寝て、腰の下にタオルなどを折りたたんで敷いて入れます。
両膝を股関節の上にあげ、膝から下はリラックスしてぶら下げておきます。
タオルから腰が離れたり沈んだりしないように、息を吸いながら曲げた両膝をおへその奥の方から肩の方へ引き込もうとし、それを両手で止めます。
太ももの力は完全に脱力した状態で行ってみてください。お腹の奥(大腰筋後部繊維)と、腰(多裂筋)にテンションを感じれば、うまくいっています。
8月から始まる全6回のバレエ解剖学のワークショップでは、このような基礎的なコアの使い方も繰り返し練習していく予定です。
ちょうどバレエダンサーの姿勢と体幹について研究した論文を読んでいたら、
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/30/6/30_913/_pdf
やはりダンサーの大腰筋は一般の方よりも大きく発達していることが書かれていました。
引き上がったよい姿勢を保ったり、脚を高い位置に保つためにはどんなところに意識を向ける必要があるのか、左右差も含め、どんなエクササイズをやるべきなのか。そんなこともお話できたらと思っています。
お申込み方法等、詳細はこちらをご確認下さい。
Anatomy & Movement for Ballet Dancers - Yukikoのブログ
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