Yukikoのブログ

新潟市プライベート専門ピラティスStudio Fuu Yukikoのピラティスや日常のこと。プロフィール→http://yukiko-pilates.hatenablog.com/entry/2015/05/13/プロフィール

身体の可能性を低く見積もらないこと

月曜更新できませんできませんでしたが、昨日Noismの「NINA~物質化する生贄~」を観てきました。

 

この作品は11年前に作られた作品で、当時、あれ?人間???と非常にびっくりして、私がコンテンポラリーダンスってすごいなとおののくきっかけになった作品のひとつです。

あまりに好きで、DVDも買って何度も観ていましたが、今回久々に舞台で観て、あれ?人間???と、やはり同じ反応をしてしまうくらいすごい舞台でした。

 

インタビューの中で、監督の金森穣さんがおっしゃっていたのが、「人間の限界=死にいかにして近づくか」「極限まで死に近づくために身体を鍛え、技術を磨き、表現を突き詰め、稽古をする。」ということでした。

http://noism.jp/wp2015/wp-content/uploads/Noism_journal_NINA_naka.pdf

まさに命をかけて踊っている人たちの、あれは人間なの?!という精神性と身体性。

人間ってこんなことができるのかと、その可能性が怖くもあり、でも希望があって、全てを差し出している人たちの振り切った生き方に憧れを感じました。

 

来年2月には埼玉公演もあるようなので、興味がある方はぜひぜひ!!!

Noism1『NINA−物質化する生け贄』新潟公演 - Noism Web Site

 

 

そして私が今自分の仕事をする上で、身体の可能性を低く見積もっちゃダメだ、ということを改めて強く思いました。

どこまでを求めているかは人によって違うけど、極限に近づこうとしている人たちにだって寄り添って身体のアドバイスができるくらい、自分の中の基準値の幅を広く持って勉強していかなくてはと、勝手に気合が入りました。

 

 

 

さて、最近ピラティスを勉強したい、と言われることが増え、1月22日(月)から月1回くらいのペースでスタジオで勉強会を開催することにしました。

指導の仕方について時間を取りたいので、インストラクターとして運動指導をされている方を対象としましたが、理論等にご興味がある方のご参加も可能です。

ご興味がある方はスタジオまでお問合せ下さい。

 

第一回目は呼吸とコアについてやります。

こちらの本の第4章で、いつもお世話になっているラジカスキー万由子さんが呼吸について書かれています。

運動療法としてのピラティスメソッド

運動療法としてのピラティスメソッド

 

 この辺をメインにやっていこうと思うので、もしこの本を読みたい方がいらっしゃいましたらお貸ししますよ~!

 

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アマゾンで注文してずっと待っていた2冊の本と、突然に送られて来る、ハッピーレター

 

お手紙を送ってくれるのは私の心の姉。

彼女の書いてくれる文章はいつも、私の見ていない観点から物事をじっくりと温かく見ていて、表現力といい、使ってくれる文房具といい、文字の形といい、全てに心がこもっているのが分かります。

想像力を働かせて丁寧に生きている彼女は、本当に豊かです。

この世がそんな風に見えるって素敵だなぁと、彼女から見た私はそんな風に見えるんだなぁと、お手紙をもらうとなんだかいつも元気になって、がんばろう!という気持ちになります。

いつもポジティブな気持ちにさせてくれたり、知らないことを教えてくれる彼女からのお手紙が突然届く日は、私にとって、スーパーハッピーデーです!

私の大切な心のお姉さま、いつもありがとう

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新潟市中央区プライベート専門マシンピラティス | StudioFuu

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火~金 9:00-21:00(担当Yukiko)

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第5週目

11月、12月の営業日 | StudioFuu

 

 

アッパーコアが安定すると俄然違う

天使の羽みたいな肩甲骨。

って聞いたことがありますか??

 

しかしこの肩甲骨、本当に背中から天使の羽みたいに浮き上がっていたら上半身が安定しなくなってしまいます。

 

 

肩甲骨が背中に浮き出して飛び出した状態を翼状肩甲と言います。(ヨガなどで言う立甲とは違います)

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(分かりにくくて申し訳ないのですが、左側が翼状肩甲。右が収まった状態。左下は見えやすいように腕を上げていますが、翼状肩甲で胸郭が前に押されている状態。左は肩甲骨が収まり、胸郭が骨盤の上にいる)

 

うまいお手本ができていないのは私の鍛錬が不足しているからです🙀

ごめんなさい…。 

 

例えば腕立て伏せをしようとした時に翼状肩甲になっていく場合、肘が屈曲するのではなく、肩甲骨が内転し(内側に集まり)、胸椎は伸展位(反る方向)に移動し、肋骨が前に押し出され、動いているのは腕ではなく肩甲骨と胸郭(肋骨、胸椎、胸骨)だということになってしまいます。

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 (左下は胸郭の位置が保てている、右下は胸郭が不安定になり、肩が上がり、お腹が落ち、肘はそれほど曲がっていない)

※ウエアの組み合わせが微妙なのはご容赦ください😂

 

左下のような状態で腕立てをすると肩の前側が痛くなったり、腰が痛くなったりする場合もあります。

 

腕から背骨に関わる筋肉は、肩甲骨の安定筋群(ローテーターカフ)や、大円筋、鎖骨下筋、烏口腕筋、上腕二頭筋、三頭筋、広背筋、僧帽筋、前鋸筋、大小胸筋などがあります。

腕立ての時、これらの筋肉にいい長さ、いいテンションがかかるように使えると、胸郭の位置が安定します。

 f:id:yukiko-pilates:20171204151100j:image

たくさんありますね!

これらみんなが協調して動くには訓練がいりそう。。

 

 

もちろん体幹全体の安定のために、前回の記事でも書いた、お腹と腰の共同収縮も必要です。

 

  

女性ダンサーなどは、バレエに腕立ては必要ないわ~と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、翼状肩甲の方はほぼ皆さん肋骨が開いてしまっています。

肋骨が開いているということは、胸郭が前に押し出され、骨盤の上にいないということ。

それでは軸もとれないし、引き上げもうまくいきません。

 

腕立ては腕のためのトレーニングにあらず。女性ダンサーも胸郭の安定のために上手なプランク(腕立て)ができるようになると、軸の安定を感じられるようになると思います。

ポールドブラをクニャクニャもしくはパツパツさせておくのか、表面張力の水の上を押すようにアームスを胴体とつなげて使うのか、安定感の違いは歴然です。

 

翼状肩甲はアスリート体型の男性にもよく見られます。

肩甲骨を安定させて腕立て伏せをしてみると、それまでとの違いを感じると思います。

 

 

姿勢を正そうとして、肩甲骨を背中で近づけておく、というのもよく耳にしますが、これはやりすぎてしまうと胸椎を伸展させ、肋骨が前にパカっと開いてしまい、背骨のニュートラルなポジションにはなりません。

 

姿勢を正すなら、肩甲骨の間を近づけて作るよりも、胸椎はやや後湾して背中が広く、肩は左右に開き、肋骨が前に押し出されず、骨盤の上に胸郭の中心とすっと伸びた頭が乗って、広く楽に呼吸ができるところにいるといいなぁと思います。

 

このような状態から腕を使えると、アッパーコアが不安定になっている時より肩の可動域も上がりやすくなります。

 

よい姿勢で腕立てをできると、それは胴体の安定につながり、首や肩が上がりやすかった方も、いつの間にか「肩を下げよう!」と思わなくても、首と肩の間に空間ができるかもしれません。

先ほどの腕立ての写真を縦にしてみると、こんな感じ。

f:id:yukiko-pilates:20171204155853j:image

(肘を伸ばしている方は写真を回して保存しようとしたら、足元と頭が入りませんでしたが💦)

腕立ての形が立位のよい姿勢になりますでしょうか。

 

腕立て伏せは自分には負荷が大きすぎるわーという方は、四つんばいでもいいし、壁でもできます。

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(四つんばいで、 肋骨の前側をパカパカと開かないよう、肩甲骨を外側、内側へ動かす)

 

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(壁から少し離れ、やや斜めに立って、胸郭が開いていかないように腕立て)

 

腕を使ったトレーニングは様々にありますが、それをアッパーコア(上半身のコア)につながっていくことを意識して行うと、上半身の位置が安定し、パフォーマンスや姿勢の質に変化があるかもしれません💃⚾️🎾🏌️🥋

背中は自分で見えませんので、よく分からない方は指導者などから見てもらうといいかもしれませんね👀

 

※こちらに載せたエクササイズを行う時は各自の責任において行って下さい。

 

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なんだか懐かしい気分になる音楽。

なぜ懐かしくなるのかは分からないけど…🙌

 

youtu.be

 

 

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お腹と腰の共依存

コア(横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群、大腰筋後部繊維)の筋肉は私たちの姿勢を保ったり、空間を作ったり、よい圧をかけるために日々お仕事をしてくれています。

 

コアの筋肉のトレーニングとして、腹筋の筋トレばかりをするわけではないことは、レッスンに来て下さっている方ならよくご存知だと思いますが、これには理由があります。

 

腰骨を動かさずに座骨を広げて床に向けて、とか、心臓を背骨の方に重たくして、とか、変な言葉をかけているのは、いじわるだからじゃないんです。

 

以下、専門的なお話になります。

 

お腹の周りをベルトや帯のように囲う筋肉、腹横筋や内腹斜筋など深部腹筋群と、背骨の傍にある筋肉の傍脊柱筋の共同の働きについて2014年に研究が発表されています。

onlinelibrary.wiley.com

 

傍脊柱筋というのは、背骨のすぐ傍を通る、横突棘筋群(回旋筋、多裂筋、半棘筋)と脊柱起立筋(腸肋筋、最長筋、胸・腰・頸棘筋)と呼ばれる筋肉たちのことで、これらの筋肉たちは胸腰筋膜という腰のところにある背中やお尻の筋肉を包む筋膜の中に含まれています。

 

傍脊柱筋たちは、腰骨の背骨のすぐ脇で胸腰筋膜の中の一つのコンパートメントの中に収納されています。(赤い丸のところ)

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(画像は論文内から引用しています)

 

これは腰椎2番と3番(おへその後ろくらいのところ)に作られている柵のようなもので、この柵は筋膜なので伸縮性があり、中で傍脊柱筋が収縮して膨張すると、柵にもテンションがかかります。

 

緑色のアンダーバーを引いたものは腹横筋と内腹斜筋の共有の腱です。

赤丸が膨らむと(傍脊柱筋が収縮すると)、緑ラインの腱を引っ張り、深部腹筋群にテンションを伝えます。

これはこの腱が深部腹筋群と傍脊柱筋との間の力伝達のための強固なアンカーまたは継目として働いているということです。

 

傍脊柱筋と横腹部、内斜筋との間の均等張力は、胸腰筋膜を通じて背骨を後ろ側にガードして、コアの安定を作ります。

胸腰筋膜の後方層では、繊維が水平から40°くらいまで交差しながら厚みをつくっていて、それはまるで椎間板の繊維輪のようになっています。

傍脊柱筋の収縮は胸腰筋膜が横方向に伸ばされてしまうことを防ぎ、深部腹筋群との共同収縮によって、腰椎を少しだけ内側に引きつけます。

 

例えば私たちが椅子から立ち上がる時、その「受動的な」伸長モーメントの25%未満は椎間板、および靭帯からきて、残りは胸腰筋膜の弾力性や棘上靭帯、周囲の筋膜組織、腹腔内圧のような非収縮性組織から生じるとこの研究では考えられています。

日常生活の中で椅子から立ち上がる、ベッドから起き上がる、階段を上る、など、何気なく行っている動作が、収縮する筋組織による、「腹筋を使っている!」という感覚だけではなく、組織そのものが持つ弾力性であったり、内側からの圧であったりによって支えられているということが言われています。

(筋肉を使わない、というわけではありません)

 

もしも傍脊柱筋の収縮がないまま深部腹筋群を収縮させると、背骨は側屈もしくは前屈方向に引かれます。

逆に傍脊柱筋が収縮し、深部腹筋群の収縮がないと、背骨は少し後ろへ引かれて(反る方向)、かつ、傍脊柱筋のコンパートメントの圧は大きくなります。

 

どちらの場合もその状態が長く続くと傍脊柱筋の機能不全につながり腰痛になったり、背骨の動きが出にくくなってしまったりしてしまいます。

 

この研究では、深部腹部と腰部の背骨の周りの筋のバランスのとれた緊張を伴う共依存機構があることを明らかにしています。

特に傍脊柱筋の堅牢な収縮は、それを包む胸腰筋膜の筒の形を変化させ、それが深部腹筋群とコミュニケーションを取り、背骨の安定を作っているという点で、これをエクササイズに落とし込むと、エクササイズをどのような姿勢(アライメント)で行うかということがとても大事であることがインストラクターとしては見逃せません。

 

 

お腹と腰、両方にテンションがいる。

というのが、この研究で言っていることだと思います。

体幹を鍛える、という時に、腰を丸めてエクササイズをしてばかりいたら、傍脊柱筋と腹筋の共同収縮の感覚は覚えられません。

 

ピラティスやヨガのレッスンに行って、マットに座る時、腰が丸まったままでいいですとは誰も言いませんよね。

お尻のお肉をかきわけて座骨を立てて座りましょうとか、必要ならばお尻の下にクッションを入れて、とか、きっと聞いていると思います。

もちろん、背骨の動きを引き出すために、とか、空間を作りながら骨盤と股関節を動かすためにとか、様々な理由で腰骨を前屈方向に動かしながらエクササイズすることもあります。

インストラクターとしては、なぜ、どこに向けて、どんな理由で、そのエクササイズをやってもらっているのかということを自分自身が認識できるために、このような難しい理論にも頭の周りに小鳥を飛ばしながら勉強しています。(小鳥が飛ぶかどうかは人によります。わたしは飛ぶ…)

 

どんどん新しい発見があり、研究が発表されていく中で、実際に皆さんの元にどのくらいシンプルに分かりやすく伝えるか、ということを考えていくと、自分にとってはそれが難しくもありますし、でも果てしなくてワクワクする部分でもあります。

 

これさえやればOK!みたいなエクササイズがないのも、こういった色んな理論があるからで、そんな簡単に何かできるなら私も飛びつきたいところですが、やはり細々とした面倒なことでも丁寧にやっていかなきゃいけないのね~と思います。

 

それにしても、先人たちの苦労や工夫や知識発想にはただただひれ伏すばかり。

はぁ~すごい。

 

 

 

※この記事は、今年9月に受けたマリジョゼのコースの時に、読んどきなさいね、宿題ね。と言われた論文を元に書きました。

二次発信ですし、私の読み方によって、この論文の著者の本意ではないことを書いていないか細心の注意はしていますが、もしも間違ったことが書かれていたり、ねじ曲がった表現になっている場合は本投稿を削除または修正し、お詫び致します。

何かありましたら、ご連絡頂ければと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

 

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こだわり体質にはたまらない、OK GoのMV。

高画質で見てね、とのことです。

youtu.be

 いつもMVがすごくて、OK GoのMVだけでしばらくYouTubeサーフィンしてしまう。。

 

やっていることは単純かもしれないけど、一つ一つの作業のめんどくささと、正確さには職人魂を感じずにはいられない!

  

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