Yukikoのブログ

新潟市プライベート専門ピラティスStudio Fuu Yukikoのピラティスや日常のこと。プロフィール→http://yukiko-pilates.hatenablog.com/entry/2015/05/13/プロフィール

腰痛は腹筋をすればよくなる??

スタジオにお越し頂いているお客様の中でもトップクラスの悩みのひとつが「腰痛」です。

腰痛の原因は様々にあり、一言に「腰」と言ってもそれが差す場所も違えば、どんな動作をすると痛いのか、ということもそれぞれに違うので、ひとまとめにして説明することはとても難しいのですが、今回は「コア」というキーワードを使って腰痛対策について考えます。

 

腰痛を治すには腹筋だよ!と言われて、腹筋をしてみたけどよくならない。という相談を受けるのですが、腹筋のやり方を見せてもらうと、お腹を膨らませて骨盤を後ろに転がし、肩と首を縮めて前腿を力ませながら腹筋している、ということがよくあります。

どこを使っているように感じるの?と聞くと、よく分からない、という答えが返ってくることも。

 

時にはそれで腰痛がよくなる人もいますが、その腹筋の仕方では効果が上がらない、または違った別の問題が起きてしまう人もいます。

じゃあどうすればよいのか。ということについて、理学療法士Diane Leeによって書かれたUnderstanding Back and Pelvic Girdle Pain – with basic anatomyを引用させて頂きながら考えていきます。

英語が読める方はぜひ元の記事をご覧になってみてください。

 

 

<イントロダクション>

記事の中でDianeは、腰の痛みは誰にでも起こり得ること、痛みの原因は、痛みを起こす身体の組織の数と同じくらいたくさんあって、さらに1つの構造だけが痛みを引き起こしているのではなく、全体として見る必要があることを述べています。

全体というのは構造物(骨とか関節とか筋肉とか)だけではなく、感覚や認知、不安やストレスなど過去の痛みの体験などについても含まれます。

ただ筋トレしたりベルトを巻いたりしていればいい、というわけではなく、感覚を使って、何をしているのか認知して、こうしたら痛くなかった!という、体験をしていくことが、腰痛改善の一歩につながる、ということです。

 

 

<重力のおかげさま>

わたしたちが地球上に生きている限り、重力から逃れることはできません。直立したり歩いたりしている時、重力は腰と骨盤を介して地面に伝わり、効果的にその負荷が伝達できていれば、わたしたちは自由に動くことができ、状況に合わせて反応することができ、身体は全体のシステムがよく機能し、楽に滑らかに動きます。

その機能がうまく働かなくなるということは重力に抵抗する能力が失われていることを意味し、痛みとして表れます。

様々な椎間板の問題というのは、多くの場合、病気ではなく、犠牲者の声である、とDianeは言っています。

 

 

<オーケストラの指揮者を再教育する>

立つ・歩く・座る・運ぶなどの動作を、わたしたちは骨、関節、筋肉を神経によってシステマチックに制御しながら、まるでオーケストラのように、それぞれのタイミングで、それぞれの大きさで、それぞれの仕事をすることで行っています。

美しい音楽が痛みのない滑らかな動きだとすると、それぞれの楽器のトレーニングに加え、指揮者もトレーニングしなくてはいけません。

指揮者というのは神経系のことであり、複数の動作を同時にコントロールする。考え、感じる。頭と感覚を使おう、ということです。

テレビを見ながらあさってのことを考えながら100回腹筋するより、身体が今どう動いているのか感じ確認しながら10回呼吸することの方が神経系を含めたトレーニングになるということです。

 

 

<重力に対抗するもの>

重力は背骨を押しつぶそうとし、それに抵抗しているのが椎間板と呼ばれる関節や筋肉、靭帯、骨であります。

(椎間板について過去に書いた記事はこちら

お腹を丸めてフンっと起きてくる時に使われる腹直筋は、背骨が押しつぶされないよう伸びておく、という状態とは逆の状態を作るのは想像できますか?だからそのような腹筋の仕方では腰痛がよくならなかったのかもしれません。

それに対し、「コア」は骨盤と横隔膜の間に位置し、横隔膜、多裂筋、腹横筋、骨盤底筋からなります。

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(絵が雑で分かりにくい方は「コアの筋肉 画像」でググって頂くとすてきなやつが色々ありますのでお好みでどうぞ)

これらの筋肉に背骨を丸める、または圧縮する機能はなく、研究では、これらの筋肉の相乗的な収縮のタイミングを再訓練することが、腰仙部の機能回復に重要だということが分かっています。

このコアのシステムを自動的かつ効率的に使えるようになるためのネットワークの再構築をしていくことが最初の目標になります。

 

 

<具体的にどんなエクササイズがあるのか>

・呼吸

仰向けに寝て、膝を立てる。背中が床につかない場合は頭の下に枕を入れ、肋骨を広くやわらかく床に沈めたまま、腰骨を動かさずに座骨を広く、床の方へ下ろしていく。腰の後ろにテンションを感じるところまで。そこで力まないように広く長い呼吸。

肩や首に力が入らないように肋骨の後ろや横側に息を吸い込み、肋骨同士の隙間も広く。息を吐くときに恥骨がおへその方へ移動してこないように注意して、全部の息を吐ききると、お腹や腰に力が入っていることを感じる。

息を吐くときに、腰骨のコリコリした部分(ASIS)を内側に押してみたり、太ももの付け根辺りの外側に張り出している骨(大転子)を内側に押してみたりすると、腹横筋や骨盤底筋の感触が見つかると思います。

そうしようとするのではなく、そうなっているかどうか探すことからやってみて下さい。

・レッグリフト

呼吸がうまくできるようになったら、片足ずつ膝を股関節の上まで持ち上げてみる。骨盤がゆらゆら左右に揺れたり、前腿に力が入らないように。腿の力を抜けない人は踵をお尻に近づけてもOK

 

これらのコアのシステムがうまく働いているとき、胸がぎゅっと縮まったりせず、呼吸しやすく、肋骨も左右へ回しやすくなっているはずです。

 

 

<まとめ>

Dianeの記事は産後の腰痛、男性の腰痛、お尻をぎゅっと握っちゃう問題と続いていますが、そちらもまたそのうちいつか書きたいなぁと思っています。

腰痛の対策は手術や投薬、マッサージや整体などの手技、エクササイズと様々にあります。

ピラティスのインストラクターとしてわたしにできることは、今までの身体の使い方を変える方法をお伝えすることです。地味だし難しく感じたり、大変かもしれないけど、やる価値はきっとあると信じています。

私自身、長年腰痛持ちで、短時間でも立ちっぱなしだったり歩き回ったりするとすぐに腰が痛くなっていましたが、今ではコアのオーケストラがうまく働くようになってくれたせいか、腰痛は全くなくなりました。外を歩き回るのが全然億劫じゃなくなったので、終電に間に合わなくても歩けるから大丈夫、という自信にもなっています。

時間の心配をせずに心から友達とビールを楽しめるというのは嬉しいものです🍻

 

 

月曜の宿題が終わったので、これで安心してビールのみます🍺

みなさま良い一週間を😊❣️

 

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