Yukikoのブログ

新潟市プライベート専門ピラティスStudio Fuu Yukikoのピラティスや日常のこと。プロフィール→http://yukiko-pilates.hatenablog.com/entry/2015/05/13/プロフィール

妊娠中のピラティスやヨガなどの運動について②中期(13〜26週)

※この記事は主に妊娠前からヨガやピラティスを続けていた方に向けて書いています。

 

書かれていることを実践する場合は必ず医師の承諾を得たうえで、ご自身の責任のもと行うようにお願いします。動きの最中に痛みやお腹の張りを感じる場合はすぐに中止して医師に相談するようにして下さい。

 

先月から書いている、妊娠中のピラティスやヨガなどの運動についての記事です。

前回の記事はこちら↓

yukiko-pilates.hatenablog.com

 

今回は妊娠中期について書いていきます。

後半には妊娠中期にできるエクササイズとリリースの方法を載せておきます。

 

【妊娠中期の身体】

初期にはお母さんの見た目の変化はほとんどありませんでしたが、この時期になるとお腹や胸のふくらみが目立つようになってきて、全体的に身体がふっくらとしていきます。

お腹の中では胎盤が完成し、赤ちゃんはほとんどの臓器が出来上がり人間らしい体つきになっています。

それまであったつわりや頻尿などの不快な症状もおさまる人が多い時期で、妊娠期間中を通して最も快適に過ごせる時期になります。

この時期に入ると赤ちゃんも安定してくるので、問題がない場合は病院でも運動を積極的に勧められたり、お母さん自身も動く気力が湧きやすいかもしれません。

また初期につわりで減退していた食欲が戻ってきて、妊娠前のように食べられるようになることで、食べ過ぎてしまうこともあるので注意が必要です。

お腹が大きくなってくることでそれまでの姿勢が変化し、仙骨痛や腰痛、恥骨痛なども出てくる方がいらっしゃるかもしれません。深層筋を強化したり、状況に応じてベルトなどを使用することも必要になります。

 

【エクササイズ、ストレッチをする際の注意点】

初期と重複するものもありますが、改めて書きます。

 

①相談、申告

まず医師にエクササイズをしてもいいか確認を取る。

マタニティ用のクラスでない場合は必ず自身が妊娠中であることを担当の講師に告げ、許可を得る。

クラスによっては妊娠中であることを理由にレッスンの受講を断られる場合もあるかもしれませんが、お母さんと赤ちゃんを守るための判断として受け入れましょう。

 

 ②運動の頻度

週に3回以上、30~40分を目安に動く。動きは急がずゆっくりと。

 

③目的(特にピラティスでは)

・出産、産後に向けた体力づくり

 →日々何をしているか、ということが将来の自分の姿を作ると言っても過言ではありません。自分自身の身体に意識を向け、コントロールしていくことを練習します。

ニュートラル、センターを見つける。

 →中期から後期にかけてお腹はどんどん大きくなっていきます。日に日に変わる身体の重心位置に対応できるよう、日々ニュートラルな背骨の位置やセンターを知っておくことは大事なことです。

・コアの力をつける。

 →赤ちゃんをお腹に寄りかからせるようにして育てていくと、腹壁や骨盤底筋に負担が大きくなり、腰痛や産後の尿漏れなどにも影響していきます。赤ちゃんをお腹の中でハグするようにコアの力でゆりかごを作ってあげることで、お母さんも産前産後を快適に過ごせ、また出産時の体力もつけていきます。

・呼吸の練習。

 →深い呼吸は深層筋の働きを高め、コアの強化にもなっていきます。また精神的にも呼吸は心を落ち着け整えることができます。出産時にも呼吸法は大切です。中期ではまだ横隔膜は下がることができるので、深い呼吸や浅い呼吸、肋骨まわりを動かす呼吸など、バリエーションを用いて練習しておきます。

・無理に伸ばすものよりも関節周りの強化。

 →元々赤ちゃんが大きくなるために靭帯などがゆるくなるホルモンが多量に出ているため、関節には不安定性が出やすくなっています。関節のエンドレンジまでいくストレッチや勢いをつけて押すようなストレッチは腹壁や結合組織を痛める原因になるため避け、関節まわりを安定させるようなエクササイズを行うようにします。

・むくみの対策

 →中期以降は手足のむくみが出てくる場合があるので、リリースを行います。

 

④環境

暑すぎるところや、滑りやすいところを避ける。ex.ホットヨガ

妊娠中は妊娠前より多くの水分を身体が必要としています。また赤ちゃんは発汗できないためお母さんより何倍も暑いそうです。フローリングなどでは滑らないよう滑り止めの靴下を履くか裸足で行いましょう。

  

⑤注意するエクササイズやストレッチ

・仰向けの姿勢

 →大きくなった子宮が背骨の右側を通る下大静脈を圧迫することで急激に血圧が下がり、お母さんの脳や赤ちゃんの血液循環が滞ってしまうことがあります。

  →仰向けのエクササイズをする場合は頭側が上がるように背中全体が少し傾くよう、パット、タオル等で斜面を作って寝かせます。その方がお母さんもニュートラルを取りやすくなります。仰向けに寝ると仙骨痛の出る方も痛みが和らぎます。

・股関節を90度以上に曲げて座る姿勢

 →膝が骨盤より高くなる姿勢のまま座らせるのはお腹が邪魔でニュートラルを保つのが難しくなり、猫背になりやすく腰椎にも負荷がかかってしまいます。猫背は産後の腹直筋離開にもつながり、尿漏れや臓器脱の原因にもなり得ます。

  →椅子の高さを調整し、股関節が90度以下になるようにします。

・腰椎を過伸展(腰を反りすぎる)させるエクササイズを避ける

 →すでに腰部が過伸展している場合が多く、腹部の組織も伸びているため

・横向きに寝て行うエクササイズの時は脚の間にクッションなどを挟む

 →恥骨結合の負荷を減らすため。

・エクササイズ中は頻繁に姿勢を変える

 →ひとつの姿勢に長くとどまらないようにします。

・強いツイスト(足をかけてひねるようなもの)はやらない。

 →赤ちゃんも苦しいそうです。

・左右に脚を大きく開いて体重をかける動作はやらない。ex.リフォーマーのサイドスプリット、ヨガのウォーリア2、バレエの2番プリエでキープなど

 →ゆるんでいる恥骨結合に負担がかかります。恥骨がずれていったり、離れてしまって痛みが出ると歩くのも大変になってしまいます。

・エクササイズ中、いきんだり息を止めたりしない。

 →押し出すような腹圧は骨盤底筋に負担がかかってしまいます。中期ではまだ赤ちゃんを外へ押し出したくありません。

・いつもより可動域を小さくする。

 →ゆるくなった身体から結合組織等を守るため。組織にもよりますが、一度伸びきっってしまったものは戻らなくなってしまうものもあります。

・マットなどに仰向けになる時は両手を使って横向きから。背中側からいかない。起き上がる時も。

 →腹圧をかけないため

・体勢を変える時は時間をかける。

 →転倒しないように。片足で立つエクササイズを行う場合は、必ず壁に寄りかかったり、何かをつかんだりして下さい。

・ハムストリング(ももの後ろ側)、内転筋(内もも)のストレッチをしすぎない。

 →やりすぎると骨盤の不安定性を増し、腰痛や股関節痛、恥骨痛の原因になる。

・しっかり水分を取りながら行う。

 →妊婦は血流が増えたり羊水を作るためにいつもより多めに水分を摂る必要があります。運動をすると体温が上がるので必ず水分補給を行います。

 

 ⑦エクササイズやストレッチを通じてやりたいこと

・背骨、骨盤の動き

 →お腹が大きくなってくるとお尻を固めて腰を伸ばして立つか、骨盤を前傾させて腰を反って固めて立つ戦略を取る場合が多い。背骨や骨盤の動きがなくなってしまうため、背骨全体、骨盤の動きを取り戻す。

・呼吸

 →全期間を通じて必要。よい呼吸は背骨、骨盤にとってよい影響を及ぼします。

ex.仰向けに寝て、胸と腰に手をおいて、息を吸うとどちらも膨らむのを感じる、椅子に座って両手で肋骨に触り、息を吸うと外へ向かって膨らむのを感じる等

・骨盤底筋のワーク

 →重たくなっていく身体を下から支える骨盤底筋。小さなワークでも意識があるのと無意識では全く違います。力を入れるのは10~15%くらいの小さな力で。

ex.左右の座骨、恥骨、尾骨の間に骨盤底筋があるのを意識して椅子に座り、右の座骨を左に寄せる、左を右へ、恥骨を尾骨の方へ、尾骨を恥骨の方へ、と骨が動かないように筋肉だけ動かす等。

・骨盤内の動き、コアのワーク

 →コアの感覚を見つけます。そして出産の際には赤ちゃんは骨盤内を姿勢を変化させながら通り抜けます。段階によって仙骨や骨盤の向きがよい方向を向いていることで赤ちゃんが下りて来やすくなります。コアのため、呼吸のため、赤ちゃんのためにも骨盤を動かす練習をしておきます。

ex.骨盤底筋を意識して椅子に座り、骨盤全体を呼吸と共に前後方向に揺らす。骨から揺らさず、骨盤の底の水分から動くつもりで。

・ストレッチ 

 →子宮が大きくなるにしたがい、子宮をお腹の中で支えている靭帯も伸びていき、骨盤回りや腰に違和感や痛みが出てくることがあります。エンドレンジまでいかず、ゆるやかに呼吸をしながらこれまで行っていたストレッチを続けることができます。

・これまでやってきたエクササイズ

 →ゆっくり、徐々に妊娠前に行っていたエクササイズの中から種類や数を増やす。妊娠前に行ったことのないエクササイズはやらない。一つのエクササイズに長くとどまらず、姿勢を次々に変えながら(寝てばかり、座ってばかりなどにならないよう)普段の6割くらいのつもりで行います。

※マットピラティスのエクササイズで妊娠中にできないもの

 ・スワンダイブ

 ・スイミング

 ・ダブルレッグキック

 ・ロールオーバー 

 ・コルクスクリュー

 ・ローリングライクアボール

 ・ティーザー

 ・ハンドレッド(頭と足を床に下ろしたままならOK)

 ・クリスクロス 

 ・シングル、ダブルレッグストレッチ等

腹筋に強い負荷がかかりすぎるもの、子宮を圧迫するものはNG。

 

 ・腹直筋離開への知識をつけておく

 →以前に簡単にですが腹直筋離開について書いたブログもあります。

yukiko-pilates.hatenablog.com

普段どのような姿勢でいるか、ということが、産後の身体に大きな影響を及ぼします。

 

【妊娠中期にできるエクササイズ例】

※エクササイズを行う際は必ず医師の許可を得た上で、ご自身の責任において行って下さい。

・壁ロールダウン(背骨の動き)

お尻から背中を壁に添わせ、踵は少し壁から離して立ちます。息を吐きながらお腹の中を引き上げ、頭の方から背骨ひとつひとつ上から順番に壁から離して前屈していきます。お腹が潰れないところまでにして下さい。

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帰りもお腹を引き上げながら、下側の背骨から順番に壁に戻ってきます。

・深部腹筋、コアの強化

前腕を床についた状態で四つん這いになります。この時、胸の背骨は少し後湾、腰骨は少し前湾、座骨は天井の方へ向くようにしておきます。

①骨を全く動かさずに、息を吐きながらお腹の中身を背骨の方へ引き寄せます

②①が上手にできるようになったら、息を吐きながら①と同じ筋肉を使ったまま膝を床から1ミリだけ浮かせます。座骨が上を向いたまま。脚に力は入りません。

 

・リリース

テニスボールよりすこし柔らかめのボールを準備し、壁を使ってリリースします。

①上半身(横隔膜がスタッグすると骨盤底にプレッシャーが増えてしまうため、上半身を整えることは安産につながります。)

・背骨の両サイド

・肩甲骨と脇の間

・鎖骨の真下

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②お尻まわり(お腹の大きさと骨盤の緩さをお尻を固めて股関節を外旋させて代償している場合が多いため、固めたままだと出産時に骨盤底が広がりにくくなります。)

・梨状筋のエリア

・大転子の後ろ側(内閉鎖筋)

・中殿筋のエリア

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10月29日に東京から理学療法士ピラティスインストラクターの石田智子先生をお迎えして「歩行」をテーマに勉強会を開催しました。

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毎日何をしているかということで私たちの身体は形作られ、機能ができていきます。

呼吸や歩行は、ほとんどの方が毎日無意識に行なっていることで、ここのエラーが分かるようになるとクライアントの力になれることが増えそうです。

 

また、智子先生がスタジオのクライアントさんにプライベートセッションをして下さり、セッションが終わった時には自然と拍手が巻き起こるくらいの変化があったり、見学させていただいた私たちインストラクターも大変勉強になりました。

 

11月からはインストラクターも増えますが、クライアントの皆さんに有意義な時間を過ごしてもらえるよう、インストラクターの質の向上に努めていきます。

一緒に働いて下さる方々にとって、技術や知識面でもサポートできる体制を作ったり風通しの良いコミュニケーションを心がけることで、ただお金を稼ぐ以外にも何かを得ることができる働きやすいスタジオにしていきたいです。

 

 

予定していた新インストラクター枠での新規体験レッスンや月会員、チケット会員様の再募集ですが、お問い合わせをたくさん頂き、現在大変申し訳ありませんが募集を停止致しました。

新規のお客様はYukiko、Hitomiの単発レッスンのみご利用可能です。

また利用再開できるめどが立ちましたらHP、SNS、ブログ等でご案内致します。

ご不便をおかけして申し訳ありませんがどうぞよろしくお願いいたします。

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新潟市中央区プライベート専門マシンピラティス | StudioFuu

【営業日】

http://studiofuu.com/wp-content/uploads/2018/10/57c4475588f6c2c44d526eb338720c3c.pdf

※スタジオでは、妊娠中は新しい運動にチャレンジする時期ではない、と考えているため、妊娠前よりレッスンに通って下さっていた方については継続して頂けますが(産前産後対応できるインストラクターに限ります)、ご新規の方はレッスンのお申込みはお断りする場合があります。