Yukikoのブログ

新潟市プライベート専門ピラティスStudio Fuu Yukikoのピラティスや日常のこと。プロフィール→http://yukiko-pilates.hatenablog.com/entry/2015/05/13/プロフィール

いつもどこかが痛いのは「痛みを見つけるのが上手になってしまっている」

いつも痛い

 

少し動くと痛い

 

我慢できないほどではないけど、もう長いこと、何年も痛い

 

これって何なんでしょう。

 

どこかを怪我していて痛い場合、その怪我自体が何年も治らないことは考えにくいし、例えば椎間板ヘルニアなども、ヘルニア自体は数か月で吸収されるので、ヘルニアというものは存在しなくなっているはずなのに自分はヘルニアだからずっと痛い、そこを動かすのが怖いなんてことを聞くことがあります。

 

痛みを探すのが上手になってしまっているんだね。

と表現されることがありますが、痛みの閾値が下がってしまっている人は、痛みを感じる信号を受け取りやすくなっているのかもしれません。

 

脳の中で、意識に上る感覚を受け取っているのが皮質と呼ばれる部分です。

皮質は身体の中から視床という部分に伝わってきた感覚情報のどれを受け取るのか選んでいます。

体中の情報を全部感じていては次の行動に移すのにも、ものを考えるにも情報量が多すぎる。

だから必要だと思う情報だけを選んで感じている。

 

例えば、今足の裏はどんな感覚ですか?どんな感覚の靴下はいてる?床の素材はどんな感じ?と聞かれれば、うーんこんな感じ?とイメージが湧きますが、言われるまでそこの感覚はなかった人が多いのではないでしょうか。たまたま足裏はあったとしても、じゃあ胸椎の上部は?仙腸関節は?場所が変われば、ずっといつも感じ続けている人はいないと思います。

その感覚はずっと前からそこにあった。でもその感覚を感じていなかった。

 

こういう話です。

 

痛みを感じやすい人の話に戻します。

痛みを感じやすい箇所に対して、動かしても大丈夫と知らせてあげる(アイソメトリックから最大可動域まで、スピードの変化もつけて。痛みを感じる神経伝達より、動きの神経伝達速度の方が早いから)、痛み以外の感覚(さする、温める、冷やす、振動させる、押しながら動かす、鍼などをするなど)をその場所に与えてあげる、というのは考えやすい対策ですが、それ以外に

呼吸の改善

というのも痛みの変化には効果のある考え方です。

 

呼吸は体内感覚を刺激します。

体内感覚は脳の中の島皮質と呼ばれる場所で処理されています。

島皮質は痛みを感じる度合いの調整をしています。

呼吸を通じて体内の感覚に意識を向けることで、痛みではないものに意識を向けるようになっていくことで、脳の働き方自体を変えていく。

痛みを探すのではなく、別なものを感じられるようになることで、「大丈夫」と判断できるようになり、痛み自体を手放すことにつながっていくと考えられます。

 

 

呼吸のエクササイズはピラティスが得意とするところ。

色んなバリエーションがありますが、何もなくてもどこでもできるエクササイズを一つ。

 

①座った状態で左右の鎖骨を両手でそれぞれ触ります

②片側の鎖骨が天井向きに上がるように側屈します(上になる鎖骨と同じ側の座骨が床から浮かないように)

③そこで大きく息を吸って

④次に上側の鎖骨が身体の前に来るように身体をねじります(うつむきながら後ろを振り返るような感じ)

⑤またその位置で息を大きく吸って

⑥元の位置に戻り、①~⑤を同じ側であと2回繰り返します

やった側(鎖骨を上に向けたり前に回したりした側)とやっていない側の呼吸の入りやすさは変わりますか?

 

多分変わりる人が多いと思います。

ピラティスでは、その人の個性に合わせてマシンやプロップスを利用しながら、ポジションや重力のかかる向きを変えながら、動きを利用しながら、呼吸や動きを全体的にトレーニングしていくことができます。

とってもヘルシー!

 

痛みが続くのはつらいけど、結局は、動かしてなんぼ、使ってなんぼなんですよね。

痛みがある人が自分の身体をもう一度信頼できるようになるように、わずかでもお手伝いできるよう勉強を続けます。

 

 

手術後の心身のケア

身体にメスを入れた時、自分でできるケアの方法をご紹介します。

 

どんな理由であれ身体にメスを入れるというのは必ず痛みが伴います。

身体が痛いだけではなく、不安などの心理的なストレスもあるでしょう。

 

切ったところはしばらくすると、コラーゲンが集まり周辺の組織が集まってきて癒着していきます。

時間が経つにつれて切った場所は(皮膚だけではなくその下でも)組織が厚くなり固くなっていきます。

 

往々にして痛みがあった部位というのは「そこを感じないようにしよう」としがちです。

切って縫った場所など見たくない。怖くて患部を動かせない。と言った感じに。

 

ところが、脳は動かさない場所のことは忘れていきます。ただでさえ組織が集まり固くなりやすい場所。動かさない、感じないでいる場所は感覚が下がってしまいます。

すると切った場所そのものではなく、遠くで不調が起きてきたりします。

首の手術後しばらくして股関節が痛くなるとか、足首の手術後肩が痛くなるとか。

全身に違和感が出ることで、なんとなく調子が戻りきらないと感じたり、元の自分ではなくなったように感じてしまったり。

 

これから記載するケアは、自分が無理なくできる範囲で、ご自身の責任においてされるようにしてください。

患部のそばを触る場合、手や道具は清潔なものを使ってください。

 

コンセプトは以下の通り

①術後3日〜1ヶ月

縫った場所は触らない

・縫った場所から3〜5センチほど離れた場所の皮膚を上下左右、円を描くようにゆっくり引っ張る(テンションがピーンとかかりすぎないように。)

・上に引っ張ったまま、近くの関節を動かす

(例えばお腹に傷がある場合は首か肩関節か股関節の傷に近い方、顔の傷なら顎、手首なら肘、膝なら股関節か足首といった感じです)

・関節は直線的に動かしたり、円を描くように動かしたりします

・同じように皮膚を引っ張ったまま関節を動かす、を身体の向きを変えて行う(前を向いて、ではなく、横を向いたり、すこし上や下を見てみたり)

・上下左右、円、を試して、一番身体が楽になる、関節が動かしやすく感じる組み合わせを見つけたら、1日数回良い組み合わせのものだけを行う

・傷口に近い皮膚を広い面積で優しくこする(ティッシュなどで撫でるくらいでもオッケー)or爪楊枝などでそっとつつくor電動歯ブラシなどバイブレーションで揺らす

②術後1ヶ月以上たち抜糸が終わり、入浴ができる、傷口が閉じて触っても痛みがない場合。

・傷口をホッカイロなどであたためながらギュっと押し込む、押し込んだら押し込みながら皮膚をドアノブを回すみたいに捻る。反対回しも

・↑をやりながら近位の関節を動かす

・↑を体の向きを変えてやる

・傷口にシャワーのお湯を当てる、傷口と反対側にも当てる(お腹の傷なら背中、右足の傷なら左足など)

シャワーの温度が冷たく感じた方があれば、そちら側にシャワーを回しながらしばらくかける

 

動画がないと分かりづらいですよね。

いつかリクエストがあれば作ろうと思います。

 

まぶたにできた粉瘤を取る手術をしました。

あっという間に切り取れたし痛みもないですが、保護テープを貼っていたり縫った糸のつっぱりを感じたり、目の近くなので術側へ目が動かしづらかったり、小さな手術でもちょっとした違和感があります。

このまま放置していると不調につながるなぁと実感したので色々と感覚のエクササイズをしながら動かしています。

今のところ順調に回復している感じ。

 

なかなか一般の方が自分で術後のケアできる情報ないよなと思ったのと、こうすればいいんだ、が分かることが安心材料の一つになると思ったので公開しました。

何をすればいいか分かる、は、心のケアにもつながりますよね。

 

できる範囲で、無理なく行ってくださいね。

今ご苦労されている方へ、少しでも楽に、自分の身体への信頼感を取り戻せるよう、早い回復をお祈りします。

 

【補足】

手術後のワークはどんな考え方から来ているの??
と専門家の方から聞いていただいているので。


①機械受容器
・パチニ小体(圧の変化と振動)
→皮膚を色んな方向へ引っ張ったり電動歯ブラシ
・ルフィニ小体(持続的な圧)
→皮膚引っ張ったまま近位の関節動かす


②深部感覚器
・筋紡錘(早く動く、ゆっくり動く)
・ゴルジ腱器官(筋肉の張力)
→関節動かす、向きを変える


③自由神経終末
・侵害受容器(痛覚)
→爪楊枝でつつく
・温度覚
→シャワー

 

機械受容器や深部感覚器からの信号は後索から延髄、小脳、皮質へ
温度や痛覚は脊髄視床路から視床へ情報を送る。

 

手術した箇所の感覚入力が足りないことで引き起こされる二次的な機能や構造の変化(手術した場所と違う場所が痛くなる、とか)さらなる情報不足の悪循環を断つために、必要な刺激=動きが良くなる(必要な刺激は人それぞれ)を選択してやってみてと言うアイディアです。


こう書いてみると説明違うよ!とか色々と突っ込みどころがあるでしょうが…。

一般の運動指導者のアイディアの一つですので…
一部マリジョゼの教えからのシェアはありますが、メソッドとかは特にありません🙏

筋肉をつけたければ各関節の可動域を出すのが先

ArthroKinetlc reflexという考え方があります。

 

en.wikipedia.org

 

ウィキペディアによると

「関節の動きが反射的に筋肉の活性化または抑制を引き起こす」

と書かれています。

 

関節の動きが、反射的に、筋肉を活性化、または抑制している。

(大事なので二度書いた)

 

つまり、筋肉を先につけようとするのではなく、まず関節の動きを良くしましょう。

(さすればおのずと筋力もアップ、もしくは使える筋肉になるでしょう)

 

という話になります。

 

普段決まりきった可動域の中でしかトレーニングをしない。

力んで関節を圧迫して力任せに力を振り絞る。

 

これは、本当に筋力のパフォーマンスアップにつながるのか??

 

単関節の運動は

1.アイソメトリック(その場で力を発揮する)

2.直線運動(上下左右)

3.円運動(丸をかく)

4.8の字

の順に難しさが上がっていきます。

 

果たして、股関節を内旋させたまま、外旋させたまま、パラレルで、1~4の動きを正確に可動域の隅から隅まで動かせているか?

肩関節は?

背骨の椎間関節は?

手足の小さな骨と骨の間は??

動きのスピードを変えても正確に動ける?

 

本当に全部の関節が自分の力で動かしその動きを感知できてコントロールできているでしょうか。

 

個人的に筋トレより先に、関節のモビリティを高めることが効率的と考えます。

それは、関節の動きを無視して筋肉のトレーニングだけをしていても、理想へ近づくスピードが遅い、という実感と、このような研究結果を見て、やっぱりね、と思うからなのです。

関節が良く動くようになると、その時には筋肉もいい感じにつき始めている。

いい土台ができていると、その後のスポーツやパフォーマンスでも上達が早いし、筋肉をつけて見た目が変わる、というより、動き方が変わるから筋肉の付き方が変わって見た目が変わる、が本質的な変化な気がします。

 

良くも悪くも、私たちの見た目の姿勢、動きというのは、より多く繰り返されたもののように形づくられていきます。

いつも動いてばかりいる関節やいつも同じ向きに力がかかる関節の方向、いつも動かないでいる関節や力がかからない関節の方向。

どんな不良姿勢でも必ずこの2点が存在します。

地味なんですが、自分に合った各関節のモーターコントロールをコツコツやることが機能的で痛くない、美しい筋肉、動きの中での美姿勢への第一歩です。

 

これは結局、脳のマップがクリアなのかどうか、に関わってくることで、マップに不鮮明な場所があるから脳がそれを脅威とみなし、動きを抑制して余計な力みや痛み、コリを作っている。

もちろん睡眠や栄養状態を良くすることも大事で見逃してはいけないポイントですが、痛み、力み、コリ、不安、疲れなどの不調は「脳が分からない」を脅威と感じて出している反応なんですよ、の話は以前のブログで話しています。

脳の情報源インプット トレーニングできる感覚とは - Yukikoのブログ

脳が分かる、ためにできるトレーニングの種類の中に固有受容感覚のトレーニングも含まれます。

関節を動かす、というのは、固有受容感覚のトレーニングで、それを高めたいと思うならば

①ただ動く(人に動かしてもらうのもアリ)

②正確に動く(ゆっくり、全ての可動域を使う、鏡や動画を使う)

③リラックスして動く(動かしている場所を見過ぎない、視覚情報を減らす)

④姿勢を保って動く

⑤呼吸と共に動く

⑥スピードを変えて動く(すごくゆっくりまたはすごく早く)

とレベルを上げていきます。

 

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