Yukikoのブログ

新潟市プライベート専門ピラティスStudio Fuu Yukikoのピラティスや日常のこと。プロフィール→http://yukiko-pilates.hatenablog.com/entry/2015/05/13/プロフィール

感覚を統合するとできることが増える

運動にせよ、学習にせよ、大人も子供も私たちは何か新しいことを習得するためにいくつかのステップを踏んで「できた」「わかった」にたどり着いています。

 

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何か新しいことを習得しようとしたとき、また、今できることをより精度高く高度にできるようになろうとしたときに、まず筋トレするのか、繰り返し同じことを何度もやるのか、というと、この写真のピラミッドの土台のどこかが足りていないとその努力がなかなか実を結ばない、ということがあるかもしれません。

 

特に一番下の土台。

視覚・何がどんな風に見えているのか

前庭覚・身体の傾きやスピードを感じられているか

固有受容感覚・関節や筋肉がどのくらい収縮してどんな位置にあるのか

触覚・どんな感じのものに触れているのか

聴覚・何がどこで聞こえているか

 

これらの基礎的な感覚が備わっているか??

と聞かれると、いや、普通に分かるでしょ、と思うと思うのですが、意外とちゃんと確認してみると見てるようで見てない、どんな風に動いてるか気にしてない、聞こえない、触れてるって気づいてない、ということもあるんです。

 

例えば、

今視界の端には何が見えますか?デバイスの向こう側の背景、何がある?

今お尻より頭は前にある?(鏡見ないで分かります?)

バイスを見るのに腕はどのくらい曲げてる?(目で確認しないで分かります?)

下着の感触はどんな感じ?

右耳と左耳それぞれどんな音がしてる?

 

こんなことずーっと感じ続けてたら頭がパンクするので、脳は賢いので情報を選択してボリュームをコントロールしながら生活しています。

しかし、いつもミュートにしっぱなしの感覚は、こうやって一度言語化して気にしてみないと分かってるけど気にしてない、という状況あるんじゃないかと思います。

 

 

レッスンの中でこの基礎的な感覚のどこを使っているのか、またどこをあまり使っていないのかにも注目して見ています。

鏡がないと動けない、という方は典型的に視覚優位だし、逆に目を閉じなくては動けない場合は視覚をシャットアウトして代わりに固有感覚を優位にしなくてはそこの感覚が生まれないのかな、とか。

最近始めたオンラインレッスンでは特に動画を観てくださる方自身で気づきが生まれるよう、無意識に意識が向くよう繰り返しキューイングしています。

 

これらの感覚を統合して動くことができれば、「何をしているのか」「何が違うのか」が自ずと分かるようになってきます。

「わかる」から、できることが増えていく。

 

よくレッスンで、動きの前後を比べて何か変わりましたか?とチェックすることがあると思うのですが、この土台の方につまづきのある方は違いが分からなかったり、言葉で説明することができないことがあります。

言語能力はピラミッドの上の方に位置しています。

自分のしていること、感じていることを言葉で表現するのは実は結構ハードルの高い作業です。

 

このピラミッドの頂点には「学習」も含まれます。運動だけでなく、知能的な面でも感覚を育てることは大切な基礎力になっています。

 

さて、じゃあ基礎的な5つの土台はいつ育てるのでしょうか。

それはやっぱり、生まれてからの数年間がとても大切になります。

頼まなくても小さい人たちは感覚に対してとても貪欲。

自分の身体をめいっぱい使って、色んな方向へ、色んな条件の中で動かす。

(大人から見たら迷惑に感じるようなことでも)色んなものに触れ、投げたり、ぶら下がったり、飛んだり転がったり、空を見たり風を感じたり裸足で波打ち際を駆け回ったり。

子どもは遊びが仕事。環境だけ整えて、夢中になっていることを邪魔しない。

 

この基礎があれば、生きる力につながると考えています。

 

 

しかしこのブログを読んでいる方は生まれて数年の方はいませんね。

でももう大人になっちゃったわ~という方も大丈夫。

「意識を向ける」ということは何歳になってもできますし、訓練次第で上達もどんどんしていくことができます。

瞑想やマインドフルネスが代表的なものの一つですね。

 

 

それから、じゃあ目が見えない方は高度な運動や学習ができないのか、と言うと、ご存知の通りそうではありません。

脳が視覚を補うように他の感覚が研ぎ澄まされ、目が見える人には判別できないような点字に触れて読めるようになったり(トレーニングされているからですが)、遠くから聞こえる音に敏感に反応できたりします。

ねばならぬに縛られないのが脳。柔軟に補い合うことができる、レジリエンスの塊。

 

 

外の情報ばかりに目が行くとか、

自分のことはいつも後回しで他人のことばかり気にかけているとか、

人からどう見られるかが気になって、自分がどう感じるかよりも人がどう感じるかばかり気にしてしまうとか。

 

そんな方は特に、感じてるかな??って自問自答する時間を作ると、急がば回れ、で、自分のできることが増えて、周囲の環境も変わるかも、変わらないかも。

 

 

 

 

感覚統合については非常にこちらのサイトの説明が分かりやすかったので載せておきます。

1人ひとりの「感覚の特性」を考えよう!よく聞く感覚統合ってなに?【LITALICO発達ナビ】

 

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先日ピラティス5年目の70代男性クライアントさんのレッスンノートを見せて頂きました。

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丁寧で絵が上手!

書かないと忘れちゃうんですと笑っていましたが、毎度こんなにちゃんと書いていてくれると思うと嬉しくなっちゃいますね。

 

冒頭のピラミッドを書いたホワイトボードの写真はこのクライアントさんがちゃんとノートに取りたい!とのことで書きました。

最初2年くらいはなかなか自分の身体を感じることが苦手で、エクササイズをしていてもどこも動いている気がしない、と言っていたのですが、最近は自分なりの言葉でスラスラと「こんな感じで動いている」と説明してくださるので、二人で手をたたきながらすごい~!と笑っています。

 

 

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新潟市中央区のマシンピラティススタジオ

Studio Fuu

スタジオでのプライベートレッスンの他、月12回(1回20分)の動画配信プランもあります

studiofuu.com

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