Yukikoのブログ

新潟市プライベート専門ピラティスStudio Fuu Yukikoのピラティスや日常のこと。プロフィール→http://yukiko-pilates.hatenablog.com/entry/2015/05/13/プロフィール

「やった感」を分解する

レッスンをしていて、特に私のレッスンを受け始めてまだ回数を重ねていない方から言われることで、もう少し「やった感」のあるレッスンがしたいです。と言われることがあります。

 

個人的に「やった感」と「身体の機能が向上すること」はイコールではないと考えているので、そもそも自分がレッスンに「やった感」という到達点を作っていないということがありますが、そもそも「やった感」とはなんぞや、ということを分解して考えてみたいと思います。

 

 

【考察】

ピラティスで何を獲得したいと思っているのか?

②一般的なピラティスのイメージ

 

ピラティスで何を獲得したいと思っているのか?

・健康維持、痛みのない快適な身体

・引き締まった肉体

・整った身体の形

などがあるのかなと考察します

 

②一般的なピラティスのイメージ

・レギンスを履きこなしてかっこよく動く

・ストレッチと筋トレ?

インナーマッスル

などかしら

 

【考察したものを分解】

・健康になりたい、引き締まった体になりたいとは?

→運動量が必要だろう(汗をかく、心拍数が上がる、身体を大きく動かす等)

→筋肉を使う必要があるだろう(筋肉痛、ストレッチ感)

などの深層心理が働いている?

 

・歪みに悩んでいる、痛みを取りたい

→ストレッチやトレーニングが必要だろう(こうしたら変わるという実感)

→なぜ歪むのか、痛むのか理解したい(知識)

自分ではできないこと分からないことを人に手助けしてもらおうとしている?

 

【考察まとめ】

クライアントさんの需要が前者(健康維持や引き締め)にある場合、クライアントさんの考える「健康」や「引き締め」のための動きと、私自身の考えるそれに相違がある。こちらの層から「やった感」を求められていると思われる。もちろん、私自身はピラティスは健康維持に非常に役立つし、引き締め効果もあると考えていますが、これについては後ほどくわしく。

後者である場合は需要と供給に相違が出にくく、「やった感」についての言及は少ない。

 

【健康であるとは】

健康の定義って、身体的・精神的・社会的に健全な状態であることを言いますよね。特に心身の健全性について個人的に考えることは、「痛みがなくて」「自分で自分を扱える実感」があれば、その人は健全だろうな、と推察します。

太っているとか、姿勢が悪いとか、脚がO脚で、とかそりゃ悩みは色々あると思います。でも大前提として、そんな状態でも今特に痛みもなくて、困ったことがあれば自分の生活の何かを変えてみようかなと思えるマインドがあれば、基本的には健全なんじゃないかなと思います。

痛い時は何かを変えなくてはならないし、今は痛くなくても痛くなるのが分かっているならやはり何かを変える必要がありますよね。

その上で、運動習慣のある人は病気になりずらいとか、色々良いことがたくさんありますので、「どこも痛くならないまま」「普段の生活の中で行う動作すら運動の一部となるよう」エクササイズに付加価値をつけるようレッスンしています。

レッスンの中だけで完結しないように、という考えが逆に、レッスンだけで完結させたい方には不足感があるのかもしれません。

私自身は、1日24時間ピラティスしていない時間の方が圧倒的に多い。普段何をしているか、の方が体に与える影響は大きいのではないかと考えていますが、レッスンに望むものを強制することはできません。なぜやっているのか、を伝えることは今後も私の課題です。

 

そして運動習慣におすすめなのは、いつも言っていますがウォーキングです!ピラティスインストラクターですが、毎日の運動習慣をつける、ということであれば、もう、歩く!これに尽きます。

 

【引き締めるためには】

「引き締まる」は、痩せると筋肉がつく、の2種類と定義します。

・汗をかけば引き締まる→○

・取った栄養以上にカロリーを消費すれば引き締まる→○

・筋肉を鍛えれば引き締まる→○

・骨格を整えれば引き締まる→○

・姿勢が良くなれば引き締まる→○

 

・関節が本来持つ可動域の中で最大限動けば引き締まる→○

・重力と床反力の関係性に無駄がなくなれば引き締まる→○

・身体全体が動きに対して呼応できるようになると引き締まる→○

・新しい感覚が目覚めると普段の動きが変わって引き締まる→○

 

敢えて途中で分けましたが、動きを指導する者として、筋肉使えば引き締まるよ、とか、骨格整えれば、とか、姿勢が良くなれば、とかは理想論でしかなく、じゃあどうやって?!を教えられなければ意味がないです。ちなみに、筋肉を使うも、骨格を整えるも、姿勢が良くなるも、土台として同じところに行きつきます。

そこの架け橋となる言葉がけが足りないのは、指導者としてのスキル不足だと思います。(私のこと)

あと、栄養の取り方について私は勉強不足です。運動指導は得意としていますが、今の段階ではダイエット指導は得意な方にお任せしています。

自分に必要な栄養素とか、どのタイミングで何を取ったらいいかとか、知りたいよね…。

 

【運動の順序】

①痛みを軽減・緩和

②鍛える前に整える

③整った状態で鍛える

私の行うピラティスは①(ポストリハビリの段階から。それ以前の場合は医療機関へ)と②の要素をふまえてから③に入っていきます。また、ピラティスで①、②を行い、③でウォーキングするのもとてもおすすめ。(アスリートは特定の動作を鍛えます)

 

具体的には

①自分の身体を知覚する→②緩めるまたはストレッチ→③うまく使えていない部分を活性化する→④関節内を動かす→⑤鍛える→⑥有酸素運動

という流れをイメージしています。この順序があるからこそ、安全で効果的な運動につなげることができると考えています。特に①は本当に大事。ここに全てのコツが詰まっていると言っても過言ではない。

ちなみに、レッスンで⑥の有酸素運動は取り入れられません。なのでここはぜひウォーキングで…(何回言うの)

 

 

【やった感を感じやすい受容体】

「やった感」を、長期的な目線での変化ではなく、瞬発的または翌日くらいまでの期間での実感についてとすると、それを感じやすい受容体というものが私たちの筋肉や筋膜の中にはあります。

それを刺激してやると、「やった感」につながりやすくなります。例えば肩こりを訴える人に凝ってますねぇとグリグリ押すとか。その瞬間は気持ちよさを感じますよね。

ストレッチもグイグイ押したり、筋トレも汗が噴き出して声が出るくらい苦しいものもあるし、それを乗り越えたんだと思えることは自分の心を支えてくれると思います。

やった感自体を否定しているつもりはありません。

そこへたどり着くまでの順序が整っていないと、不良動作の繰り返しは怪我につながるし、目的(例えば骨格を整えたいとか)に近づくための土台がない場合、たまたま成功する人もいるでしょうが、万人が全員目的を達成することもできないでしょう。

 

【まとめ】

「やった感」を求められてしまうのは、私の情報開示の仕方に問題がある。

地味な動きが多いのはなぜか、何のためにやっているのか、という点をもっともっと分かりやすく伝える必要がある。

レッスンが終わった後に「やった感」や「達成感」は少ないかもしれないが、「爽快感」や「心地よさ」を感じることはできると思う。

それが私自身の考える心身の健康(痛みがないこと、自分で自分を扱えるという実感)につながると考えている。

やってよかったと思ってもらえるようなレッスンをしていきたい。

 

 

 

【補足】

「自分で自分を扱える」とは、脚を細くしたいとか、姿勢が良くなりたいとか、所作の美しい人になりたいとか、そういう希望を叶えるための行動ができるし、行動したことで何かを感じることができる状態、を想定しています。

 

 

以上、分析と自己反省の時間でした。