アナトミートレインの著者トーマスマイヤースと、コロラド州ボルダーのLaboratories of Anatomical Enlightenment マスター解剖者トッドガルシアによる解剖実習にオンラインで参加しました。
ボルダーに解剖実習に行く…子供が生まれる前、コロナになる前はツアーに参加したいなぁと思っていましたが、子どももいて、しかもコロナ。10年は無理だなと思っていましたがオンラインで受講できる素晴らしい現代。
ありがたいです。
解剖実習に参加するのは初めてでしたが、トッドの素晴らしい解剖の技術で次々に身体組織があらわになっていき、改めて人の身体ってなんて機能的で美しいんだろう、どうしてこんなにすごいものが出来上がったんだろう、と、驚きと感嘆の3日間、あっという間の経験でした。
男女それぞれの骨盤内を見せて頂き、男女差や個体差も如実に見ることができ、それぞれのご献体が身体でその人生を語っていました。
身体のシステム、作り、そのものが素晴らしいし、その器をもって生きてきた人たちのオリジナルな身体がまた、素晴らしいと感じました。
今回の解剖実習で私は今まで特に意識してこなかったことで、大腰筋と腰方形筋のつながりについてトムがさかんに指摘していたのですが、あまり考えて来なかったところでした。
隣り合っていることすら忘れていた…
内閉鎖筋の腱が7本も8本もあったことにも驚きでした。
それだけ強力な筋だということで、ちょっとやそっとでは緩まない構造になっていた。
股関節の外旋筋群と習ったけど、むしろ、骨盤と大腿骨を強力につなぐ役割、大腰筋とバランスを取りながら骨頭を求心位に保つ役割があるんだと感じました。
座骨神経の太さ長さ強さ。
各筋肉の筋繊維の方向の切り替わりや、内臓器が「張り付く」様子。
筋肉や臓器は骨や筋膜による付着によってその強さやハリを保っており、メスを入れたとたんにその周囲がだらんとつながりを失ってしまう様子。
解剖学の本や3Dアプリとは違う重力下のつながりの中の筋骨格内臓の形。
腹筋群の薄さ、それに対する背筋群の厚み。
最近は重力下で骨格がどう位置しているか、ということを一番に意識しながらレッスンをしていましたが、骨格だけでなくやはり軟部組織の粘度や滑りにも意識を向ける必要性があるし、性別年齢、手術歴出産歴の有無、病歴や薬品による組織の変化にももう一度よく目を向け、想像力を働かせることがこれからの課題であると強く感じる時間となりました。
トッドの解剖も素晴らしかったですが、トムの講義も本当に素晴らしいもので、オンラインコースのメリットで何度も繰り返し拝見しました。
ヒトの身体の中をより深くイメージできるようになった、と共に、このような勉強の機会を与えて下さるドナー、ドナーのご家族にも深く感謝をしたいです。
これからのレッスンに生かしていきます。