Yukikoのブログ

新潟市プライベート専門ピラティスStudio Fuu Yukikoのピラティスや日常のこと。プロフィール→http://yukiko-pilates.hatenablog.com/entry/2015/05/13/プロフィール

筋膜ってすごい

フィットネスの世界では身体を考える時、便宜上〇〇筋、〇〇筋、といった筋肉の区別をしていますが、脳は身体の中にどんな筋肉があるのかは知りません。

あるのは、その辺りの「感覚」であり、「つながり」であり、身体をひとつのものとして包括的にとらえているのが脳ではないかと思います。

ではこの「つながり」の感覚、身体をひとつにしているものは何なのか。ということを、「筋膜」というキーワードを使って説明してみます。

 

筋膜は名前のとおり「筋肉を包む膜」と言うことができますが、それだけでなく、内臓や骨、血管などをも包み、そして包むだけでなく組織の中に含まれていっています。

それは筋肉と筋肉をつないだり(分けたり)、骨と筋肉、内臓をつないだり(分けたり)、お互いの組織同士の滑りをよくして、全身の情報を伝え合い、内側で起こっていることを統合するネットワークシステムとして働いています。

 

筋膜は実際にネットのような形をして、張力がかかるとその形を変化させていきます。

同時に筋膜自体がテンションを持ち、そのテンションは人の身体の形を作る。つまり身体の中から姿勢を作っていると言う事もできるでしょう。

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(画像はThomas Myers著Anatomy Trainsよりお借りしました)

 

りんごを包んでいるネットも、引っ張れば全体の形が変わりますよね。

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(画像は「りんごのネット」で画像検索したもの。みんな猫にネット被せすぎ。笑)

 

 

このネットは流動的で水分を持ち、弾力性を持って全身に渡ってわたしたちの身体を効率的に動かし、また全身をネゴシエーションして常に身体を安定させようと、恒常性を保とうとしてくれています。

もしもこの筋膜の一部が怪我やオーバーワーク、ストレスなどで厚く固く密度が高くなってしまっている場合、その影響は筋膜を通じて全身に伝わります。

肩がうまく動かないのが実は骨盤底の筋膜が固くなっていたからだった、ということも有り得るし、逆に言えば、例えば前屈で床に手が届かない方が足の裏をほぐしたら床に手がついた、といったことも起こりえます。

これは足の裏で固まっていた筋膜がほぐれたことで、引っ張られていたふくらはぎやハムストリング、腰、背中などにも筋膜を通じて水分が移動し、全身の筋膜のしなやかさが増し、前屈しやすくなった。と説明することもできそうです。

 

筋膜の密度が高くなり続けると、筋膜は繊維化し、慢性的な炎症のような状態になってしまいます。

同じ方向へいつも身体を動かして(動かさないで)いると、その中で筋肉はストレッチされ続け、微細な傷がつき続けることでそれを補おうと、筋膜は厚みを増していきます。

側湾のある方の背骨の凸側はこれに当たり、オーバーストレッチされているにも関わらず、本人の感覚ではそちらの方が固い、と感じるのはこれが原因の場合もあります。

側湾症についての記事はこちら

 

同じ動作を繰り返すアスリートやダンサー、例えばいつも同じ側の手で頬杖をつく癖がある、足を組む癖がある、というのも、筋膜にストレスがかかってしまいます。

 

また筋膜には機械受容(組織の長さ、空間の位置、張力の変化、摩擦、収縮などを感じる)、内受容(内側の感覚、脳の海馬や扁桃体視床などを通じて感情に関わる)、熱受容(熱を感じる)といった神経が通っています。

これは筋膜が身体を機械的にも、感情的にもとらえることができる組織だということで、逆に機械的にも感情的にも影響を受けているとも言えるのです。

 

機械的に、というのはなんとなく分かりそうですが、感情的にもというのはとても面白いと思うのですが、恐怖感が強いとそれが姿勢に現れるというのはよく言われる話だし、一度痛くなったことのある場所は、機械的に回復していても、なんとなく痛い気がして動くのを怖がってしまうというのもこれに当たると思うと納得がいきます。(長く続く腰痛など。)

 

少し難しい話になりますが、筋膜の元になっているのは細胞外基質Extracellular Matrix(ECM)と呼ばれるコラーゲンやエラスチン、ケラチンなどでできているゲル状のもので、繊維芽細胞(身体を作るのに必要なものを持ってきてくれる)や肥満細胞(アレルギーなど炎症から防衛する)、食細胞(いらなくなった細胞を掃除する)や白血球(炎症と戦う)といった細胞と、陰イオンの分子(水を引きつける)が網のようになってできています。

これは筋膜が免疫のシステムを持ち、身体を回復させる機能を持っていること、水分を引き寄せる機能があることを示しています。

 

難しいことを書きましたが、すごくないですか?!単に筋肉を包むだけじゃない、筋膜。。。 姿勢のためにも、感情や免疫のためにも大事にしてあげたい。

 

 

先に書いたとおり、筋膜は流体のように考えることができ、これは温度が高くなると「溶ける」ような性質を持っています。

熱が筋膜に水分がたくさんある状態を作り、圧や摩擦、重さや動きなど色んな方向からよいテンションがかかることで筋膜の健全性を保つことができます。

 

 

筋膜に影響を与えることができるのは、マッサージなどの徒手を用いたものや、ストレッチやエクササイズ、ロルフィングなどのボディワークでもまた、それが可能でしょう。

 

スタジオにはスマートスパインシリーズという温かさと重さを使ったプロップスを準備しています。

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これを使って熱や圧を加えながら呼吸やエクササイズをしていくことで、集中し、身体に対する気づきを得て、筋膜の密度を回復させていくことを目指します。

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こんなすごいネットワークを体中にめぐらせているわたしたち。

自分自身の身体に対する愛着がさらに増します。

心も身体もバラバラじゃないんだなぁ、ひとつのものなんだなぁと思うと、全部を大事にしたくなります。

ウェルネス

 


※本記事はMarie-Jose Blom著Teach and Treat Access to the Inner Works of Fitnessを参考にして書きました。

 

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7/8(土)に開催される新潟フィギュアクラブの発表会のグループナンバーの振付をしましたが、自分も少しだけ出演することになりました⛸

フィギュアスケート発表会 Skating Festival 新潟フィギュアクラブ

練習がんばります‼️🙀💦

 

子供達、親御さん、先生方も一生懸命この日のために準備しています。

観にこられる方、早く入場できる優待券ありますのでご連絡下さーい!

 

 

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市長の講演会

商工会議所の企画で、市長の話が聞けるというので講演会に行ってきました。

 

新潟市の市長さんは就任から15年目だそうで、わたしが新潟から出て行く前から同じ市長さんだったのですが、13年前にNoismを新潟に創ったこともすごいし、東京からおよそ10年ぶりに帰ってきて、とても新潟の街がよくなっていることを実感しているので、話を聞くのを楽しみにしていました。

 

講演会ではこれまで新潟市がどんな理念を元に政策を行ってきたのか、これからどうしていこうとしているのかという話を聞けて、とてもわくわくしました。

 

よりよい街になっていくといいなぁと思うし、そのためにはわたしたちの世代が頑張らなきゃな~と思いました。

 

市長の話題の中でも特に気になったのが、

新潟市民の健康寿命

 →平均寿命は全国平均を上回るものの、健康寿命が平均より短い

  (健康でない期間が長い)

・一日の歩行数

 →15-69歳までの全国平均男性7,074歩・女性6,006歩に対し、新潟市は男性6,401歩・女性5,990歩。

 →70歳以上の全国平均男性5,102歩・女性3,790歩に対し、新潟市は男性4,440歩・女性3,305歩。

  (全ての世代、男女に関わらず全国平均を下回る)

・一日60分ほどの運動習慣がある人

  →男性25.6%、女性21.1%

  (新潟市の目標値は40%)

・移動手段

 →鉄道2.79%、バス3.1%、自動車71.0%、二輪車0.6%、自転車7.5%、徒歩15.1%

  (7割以上がマイカー移動)

といったデータの数々。

 

以前から、新潟に帰ってきて車移動が多い!歩かなくなっちゃった!とこのブログでも何度も書いていたのですが、データにもそれがはっきりと出ているのが納得でした。

 

それは新潟市の土地柄、冬は天気が悪いし、公共交通機関も東京のように便利ではないし、色んな理由があると思うのですが、わたしがピラティスインストラクターとしてできることは、少しでも多くの方々に運動習慣を続けてもらうこと、健康でいるためのお手伝いをすることだなぁと改めて思いました。

 

 

 

週に6回、1日30分の運動習慣が高齢者の死亡リスクを40%も下げるという研究もでています。

Increases in physical activity is as important as smoking cessation for reduction in total mortality in elderly men: 12 years of follow-up of the Oslo II study | British Journal of Sports Medicine

運動強度は軽度(散歩など)、適度(軽度なスポーツなど)、強度(強度の強いスポーツなど)に関わらず、効果があるそうです。

運動が心肺機能を高め、筋肉量の低下を防ぎ、バランス能力の維持につながります。心血管疾患やその他の病気のリスクを下げ、メンタルヘルスの面でも効果があるそうです。

普段運動習慣のなかった方や、血圧が高い、心筋梗塞や慢性腎臓病などがある、体力が落ちているといった方は、まず日常的に歩くことを勧めています。

 

 

市でも歩きたくなる道を作ったり、イベントを企画したり、あの手この手で運動する習慣をつけてもらおうとしているそうです。(それでも運動を積極的に生活に取り入れようとしている人の割合は3割ほどなんだそうですが…。)

 

ピラティスでは歩くために必要な身体の準備をすることができるし、思うように身体を動かす訓練は脳の活性化にもつながります。

 

 

わたしの最近のお散歩は、飲み歩きでした❣️

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クラフトビールの陣と、古町ぶらり酒🍻えへ

 

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考えるあし②

最近よくクラスで言っている距骨。

 

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青い色をつけてあるのが距骨、足首の骨です。

この骨が良い位置で、動きに応じて良い方向へ移動できる、ということが、前回までに説明した、可動性があって、よく衝撃吸収してくれて、効率的に動く足になるための一つの鍵になる骨です。

 

距骨には筋肉はついていません。

→ということは、距骨を動かす筋肉はない。

 

 

ではどうやって距骨が動くのかというと

 

足首を曲げていくとき(背屈)、

・踵の骨は外へ向く(回内)

・腓骨は内旋しながら上へ移動し、足首の方では後ろへ、膝の方では前へ移動

 →足首のレベルで腓骨と頸骨の隙間が広がる

・距骨は内側に回りながら後ろに滑る

 →腓骨頸骨の隙間に距骨が滑りこみ、抱えこんでもらっているような状態のため、足首は安定する。自由度は減る。

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足首を伸ばしていくとき(底屈)

・踵の骨は内へ向く(回外)

・腓骨は外旋しながら下へ移動し、足首の方では前へ、膝の方では後ろへ移動

 →足首のレベルでは腓骨と頸骨の隙間が狭くなる

・距骨は外側に回りながら前へ滑る

 →前へ押し出されるため、腓骨頸骨踵骨からのサポートが減り、足首は不安定になる。自由度は高くなる。

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といったように、距骨は踵の骨と腓骨頸骨というスネの骨の間で、周りの骨たちの動きに応じて滑り動かされているのです。

 

ハイヒールを履いていて、足首がグネグネとしてしまうのは、距骨がサポートされず足首が不安定になっているからだったんですね。

(そして拇趾球に負荷がかかり続けることで横アーチが潰れ、第一中足骨は外に回旋しながら外転し、足趾は内側に押し込まれ、外反母趾になっていく…ということが起こってしまうかもしれません。)

 

もしこの距骨の動きが、スネや踵にかかる筋肉や靭帯の短縮・伸張しすぎ、などの理由でブロックされてしまったり、逆にフリーになりすぎてしまうと、どちらも足首の怪我につながるだけでなく、土台の崩れている建物が不安定であることは容易に想像できるとおり、その上の部分でも何かしら影響を受けてしまうこともあるでしょう。

 

ちなみに、足首を伸ばすことの極限の世界はバレエのポワントシューズで立つことだと思うのですが、子供がバレエでポワント(トゥシューズ)を履くのはいつからがいいのか、という疑問に対して、国際ダンス医科学学会は次のように述べています。

・だいたい12歳くらい

 →練習期間・頻度、靭帯・骨の強度や成長度合いなど本人の素質、コアコントロールなどのテクニックの習熟度による

ご興味のある方はこちらの資料を読んでみて下さい。

これを読むと、大人が8センチのピンヒールを履いて歩くことだって相当大変なんじゃないかということが想像に難くありませんね。

 

 

 

距骨やその周りの骨たちの動きをイメージしながら屈伸してみると、足首の感覚が少し変化するかもしれません!

おためしあれ^^

 

 

※骨の動きについてはMarie-Jose Blom"Pilates Introspective 1"及びA.I.Kapandji著”カパンジー機能解剖学 第6版”を参考にしています。文献によって頸骨の内外旋が異なって記載されている場合があります。

 

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