Yukikoのブログ

新潟市プライベート専門ピラティスStudio Fuu Yukikoのピラティスや日常のこと。プロフィール→http://yukiko-pilates.hatenablog.com/entry/2015/05/13/プロフィール

妊娠中や産後の骨盤底トラブルの対処法の違い(尿漏れ・湯漏れ・頻尿など)

妊娠中や産後に骨盤底のトラブルを抱えることはよくあることです。

そのトラブルは何に原因にあるのかによってアプローチを変えていく必要があります。

 

例えば尿漏れは、骨盤底筋が骨盤底筋が過活動になっているのか、伸縮性に乏しいのかなどによって戦略が変わります。

 

一般的に言うケーゲル体操のようなものは、「骨盤底筋を引き締めて、引き上げて」と指導するものが多いですが、そもそも骨盤底筋が過活動で固くなっている場合、これ以上筋肉を使って固めることは逆効果になる場合があります。

逆に伸縮性に乏しい場合には意識的に「引き締め、引き上げる」ことが有効な場合もあります。

 

妊娠後期であっても適切な対処ができることで尿漏れなども改善できることが研究で分かっています。

 

尿漏れ、と聞いたら全部が骨盤底筋を収縮させるトレーニングすればいいんだ!と思ってしまう前に、骨盤底筋がどんな状態だと理解するか、そして状態に合わせてどのような方法で困りごとにアプローチするのかについて書いてみようと思います。

 

★骨盤底筋の状態(複合的に起きている場合もあります)

 

1.慢性的に圧迫されて疲労(伸びている)

タイプ:収縮されるべき時に反応できない、弱っている

症状:くしゃみ・ジャンプなどの尿漏れ・腰痛

日常生活:猫背、骨盤を後傾させて長時間座っている、胸郭が固い

アプローチ:持久力・パワー・瞬発性・滑走性・横隔膜と肋骨の可動

①物などにつかまりながら背中を丸めて背中に呼吸

②仰向けに寝て足を身体の反対側に倒し腰や胸の前に呼吸

③仰向けに寝て、最大まで息を吐ききって肋骨を締め切った後にリラックスすると息を吸いながら胸が自然と広がりふわっと広がるのを感じる(広がる方が大切)

④③の広がった状態を保ちながら息を吐く

⑤④を行いながら吐く息で骨盤底筋を軽く締め、吸う息でリラックスする

 

2.伸縮性に乏しい

タイプ:体勢によって簡単に開いてしまう。弱っている。

症状:お風呂から出た時に膣から湯漏れする・膣の空気漏れ

日常生活:スウェイバック、反り腰、下腹が出やすい、あまり歩かないなど

アプローチ:パワー・持久力・座骨と座骨の距離を縮めたり伸ばしたりする

①膝を立てて仰向けに寝て、骨盤の出っ張りの内側やおへその下を触りながら呼吸。息を吐く時に指の下でお腹が固く盛り上がらない

②お腹が固くならないように骨盤を後傾させたり前傾させたりする

③お腹が固くならないように骨盤底の3か所の開口部を優しく締めたり(吐く)・開いたり(吸う)

④お腹が固くならないように吐く息で骨盤底の臓器(膀胱・子宮・直腸)を胸の方へ引き上げ、吸いながらリラックスする

 

3.過活動(常に収縮)

タイプ:緩めたいときに緩まらない。頑張りすぎ。

症状:残尿による頻尿、性交痛、反り腰ではないのに腰痛

日常生活:フラットバック、立ちっぱなしの仕事など

アプローチ:リラックス・滑走性・減圧・横隔膜

①骨盤底を胸郭より高い位置にして重力から解放して呼吸(仰向けでお尻の下にヨガブロックなどを置く、肘付き四つん這いで骨盤の位置を上げるなど)

②胸郭周辺(肩・腰なども含む)のリリース

③内閉鎖筋(座骨の内側)や梨状筋(大転子と仙骨の間)をテニスボールなどでリリース

④骨盤底筋をぐっと収縮させた後、リラックスして筋肉が弛緩するのを感じる

⑤ものにつかまりながらフルスクワットの姿勢で胸郭を広げるように呼吸

 

 

 

経験的に、直腸が仙骨に寄りかかってしまって仙骨が後傾しすぎたままエクササイズしている人をよく見ます。

直腸が仙骨から離れるように、とキューイングすることで多裂筋とのつながりも出やすく、股関節からの動きを誘導しやすくなることが多いです。

骨盤底筋群の中で最大の筋肉は肛門挙筋群(恥骨尾骨筋・腸骨尾骨筋・恥骨直腸筋)なので、直腸や尾骨へのキューイングはとても理に敵っていると感じます。

 

尿漏れは骨盤底筋自体の問題と言うより、胸郭へのアプローチの方が有効な場合が多いという研究もあります。

自分の経験上もそう感じます。

 

基本に立ち返り、やっぱりコアって大事なのよね。

と何周目でも思います。

 

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ラジオをはじめて、よし、やるからには毎日配信するぞ!と心に決めて、自分の頭をまとめるために毎日配信しています。

自分が話しているのを聞くと、全然頭の中まとまってない!ということが分かる。分かる。

何の話をしてるのよ。って。聞きにくいなぁって思いますが、続けられる限り自分へのトレーニングとして続けてみようと思っています。

 

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小さなお子さんの抱っこの仕方

先日新潟県五泉市子育て支援の一環として産後のお母さんに向けたピラティス体験会を開催させて頂きました。

 

体験会のレッスンをさせて頂いた時に、ほぼ全員が「肩こりがある」とお答えされていたので、肩こりの原因になりやすい抱っこの仕方について書いてみようと思います。

 

抱っこの仕方 

ポイント①抱き上げる時

・赤ちゃんを自分に引き寄せた状態から立ち上がる

自分が赤ちゃんの方へ胸を寄せ、抱えてから身体を起こす

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・自分で立てるようになっていて指示の通る子の場合は台など高さのあるものの上に立ってもらった状態から抱っこやおんぶをする

お子さんと自分の距離が遠い状態から持ち上げようとするほど、腰や肩への負担が増します

 

ポイント②抱いている時

・首座り前のお子さんの場合

頭を肘の内側で支え、背骨が丸くなるよう反対の腕でお尻を抱える

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両腕の左右の距離と赤ちゃんの体と自分の体が遠くなるほど手首や肩腰の負担が増します。

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右腕と左腕の幅がわずかに狭くなるよう、肩甲骨の間を開き自分のお腹に赤ちゃんをできるだけ近づけるようにします

 

・縦抱っこの場合

抱っこをしている時のお子さんのお顔はお母さんの肩より上

お尻の重さを逆手で支える

↓左手のひらが下向きです

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・踵重心にならないように

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内くるぶしと外くるぶしの間あたりに体重が乗るようにする

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・片手で抱く場合

お子さんの頭が肩の上に乗る

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赤ちゃんを骨盤に乗せる姿勢は自分の体にとっても赤ちゃんにとってもあまり楽な姿勢ではありません

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反対の二の腕と胴体の間に挟める場合は挟むと楽です

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ポイント③下ろす時

・お子さんが地面に設置するまで自分も床やベッドに近づく

 

抱っこ紐 

 

 

書いていて想像すると、これは股関節や足の使い方がうまくいっていない方や上半身の特に肋骨のポジションがうまく取れていないときつくなると思います。

出産時に帝王切開していたり会陰切開していたりする方はみんな難しくなってしまうので、やはりお母さんの身体のケアは必須なんですよね。

 

動画があるので公開しておきますね。

このブログを読んでくれている方にのみ2024年1月末日まで公開します。

URLのシェアはご遠慮ください。

 

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子どもを抱っこしているほどではない、通常(?)の肩こりについては以前ブログを書いているのでそちらも見てみてください。

yukiko-pilates.hatenablog.com

 

 

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当日会場で最後にアロマオイルを嗅いで終わったのですが、何だか心も軽くなりました、とご感想を頂いて、分かる、分かるよ。と心底思いました。

 

お母さんの仕事って、肩や腰だけじゃなく心も重くなること多いじゃないですか。

 

そんな時に、ちょっとでも自分で自分を整えられる対応策を持っているって大事なんですよね。

それは他人との「それ分かる!そうだよね!」っていう共感でも、「こういう時はこうしてるよ」っていう情報共有でも、「だからこうなんだな」って納得感でも、なんでも良いんです。

とにかく自分1人で生きていた時の軽やかさとは違う今この瞬間を、できるだけ快適に、賢く強かに楽しく過ごしたい。

そんなふうに思います。皆さんはどうですか?

 

核家族で2児を育てながら仕事をするワーママが試行錯誤の奮闘しながら身に付けている思考や手法をラジオで配信しています。

もしよければ家事や寝かしつけのお供に、イヤホンなどでこっそり楽しんでください。

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ポリヴェーガル理論 自律神経は3種類

ステファンポージェス博士と言う方が提唱されている、ポリヴェーガル理論(ポリ・多重 ヴェーガル・迷走神経)では、これまで自律神経は交感神経と副交感神経の2種類で説明されてきていたけれども、実は副交感神経の中にさらに2種類あると説いています。

 

博士は以下のように分類しています。

 

交感神経
・fight or flight(闘争/逃走)


副交感神経
 背側迷走神経
 ・freeze(凍り付き)
 ・シャットダウン・スローダウン・抑うつ行動
 腹側迷走神経
 ・リラックス
 ・社会的交流の肯定的な状態

 

例:乗っている飛行機が墜落しそうになっている時

交感神経優位の人

・怒る・パニックになって泣き叫ぶ

背側迷走神経優位な人

・気絶する

腹側迷走神経

・周りの人と協力して、外と連絡を取り合おうとしたり、パイロットの様子を見に行ったりする

 

どれも生命維持のための本能的な反応で、どの状態が良い悪いということはないのですが、現代社会を生き抜くには、「腹側迷走神経」が優位な状態が生きやすいと言われています。

 

迷走神経とは

副交感神経系の中で最大かつ最も重要な神経です。

内受容感覚と呼ばれる体内感覚を司り、お腹がすいた、喉が渇いた、心臓がどきどきする、トイレに行きたい、頭に血が上る、お腹が痛いなどの感覚をキャッチしています。

もう満腹だから満足して食べるのをやめる、心臓がどきどきして手に汗をかいているから緊張してうまく動けない、頭に血が上って顔が熱くなって恥ずかしくなる。など内受容感覚は「感覚に感情を乗せる」役割を持つ島皮質の主な情報源のひとつ。

迷走神経は腹腔、心臓、肺、口や喉の大部分、頭皮、耳などにまたがります。

心臓から上を腹側迷走神経、心臓から下を背側迷走神経が走っています。

 

 

腹側迷走神経

ロルフィングやクラニオセイクラルなどを行うボディセラピストのスタンレー・ローゼンバーグ博士の著書「からだのためのポリヴェーガル理論」によると、「身体構造は安全な状態の時に、タッチと手技を歓迎する」と言われています。

「安全な状態」を作り出すのがまさしく腹側迷走神経優位な状態で、同じセラピストが同じ手技を行ったとき、良い効果が表れる群と、あまり良い効果が現れない群の比較をすると、性別や年齢ではなく、腹側迷走神経が優位かどうかによって、その手技の効果の表れ方に違いが出たそうです。

 

 

 

個人的に腹側迷走神経が優位であることはエクササイズやトレーニングにおいても大事なのではないかなと思い、最近のレッスンでは最初に腹側迷走神経を刺激するようなエクササイズを行っています。

 

腹側迷走神経を刺激する方法

腹側迷走神経は心臓より上に走行しているため、首、口、耳、後頭部などへの刺激をしていきます。

・うがい30秒×3
僧帽筋上部のストレッチ
・水風呂、顔に冷たい水
・咀嚼、嚥下
・胸鎖乳突筋の内側のマッサージ
・後頭部下1/3のマッサージ

・眼球心臓反射

目を閉じてまぶたの上から眼球を圧迫 5秒×3
・ハミング、歌を歌う
・耳甲介マッサージ
赤丸の部分です↓

 

腹側迷走神経の働きは免疫系の働きも助けるため、風邪を引きにくかったり、アレルギーになりにくかったり、大人から子どもや赤ちゃんまでみんな高めてあげたい身体の働きなだと思います。

我が家もアレルギーっ子とイヤイヤ期こじらせてるのかな?というような子どもたちがいるので、夜な夜な寝る前に首から上のマッサージをしたり、一緒にうがいをガラガラしたりしてみています。

 

子どもの発達の勉強をはじめて、また世界が広がって楽しいです。

 

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ラジオをはじめてみました。

読んだ本のこと、日々思う夫婦関係や育児のこと、思うままに語っています。

もしよければ聞いてみてください

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