ステファンポージェス博士と言う方が提唱されている、ポリヴェーガル理論(ポリ・多重 ヴェーガル・迷走神経)では、これまで自律神経は交感神経と副交感神経の2種類で説明されてきていたけれども、実は副交感神経の中にさらに2種類あると説いています。
博士は以下のように分類しています。
交感神経
・fight or flight(闘争/逃走)
副交感神経
背側迷走神経
・freeze(凍り付き)
・シャットダウン・スローダウン・抑うつ行動
腹側迷走神経
・リラックス
・社会的交流の肯定的な状態
例:乗っている飛行機が墜落しそうになっている時
交感神経優位の人
・怒る・パニックになって泣き叫ぶ
背側迷走神経優位な人
・気絶する
腹側迷走神経
・周りの人と協力して、外と連絡を取り合おうとしたり、パイロットの様子を見に行ったりする
どれも生命維持のための本能的な反応で、どの状態が良い悪いということはないのですが、現代社会を生き抜くには、「腹側迷走神経」が優位な状態が生きやすいと言われています。
迷走神経とは
副交感神経系の中で最大かつ最も重要な神経です。
内受容感覚と呼ばれる体内感覚を司り、お腹がすいた、喉が渇いた、心臓がどきどきする、トイレに行きたい、頭に血が上る、お腹が痛いなどの感覚をキャッチしています。
もう満腹だから満足して食べるのをやめる、心臓がどきどきして手に汗をかいているから緊張してうまく動けない、頭に血が上って顔が熱くなって恥ずかしくなる。など内受容感覚は「感覚に感情を乗せる」役割を持つ島皮質の主な情報源のひとつ。
迷走神経は腹腔、心臓、肺、口や喉の大部分、頭皮、耳などにまたがります。
心臓から上を腹側迷走神経、心臓から下を背側迷走神経が走っています。
腹側迷走神経
ロルフィングやクラニオセイクラルなどを行うボディセラピストのスタンレー・ローゼンバーグ博士の著書「からだのためのポリヴェーガル理論」によると、「身体構造は安全な状態の時に、タッチと手技を歓迎する」と言われています。
「安全な状態」を作り出すのがまさしく腹側迷走神経優位な状態で、同じセラピストが同じ手技を行ったとき、良い効果が表れる群と、あまり良い効果が現れない群の比較をすると、性別や年齢ではなく、腹側迷走神経が優位かどうかによって、その手技の効果の表れ方に違いが出たそうです。
個人的に腹側迷走神経が優位であることはエクササイズやトレーニングにおいても大事なのではないかなと思い、最近のレッスンでは最初に腹側迷走神経を刺激するようなエクササイズを行っています。
腹側迷走神経を刺激する方法
腹側迷走神経は心臓より上に走行しているため、首、口、耳、後頭部などへの刺激をしていきます。
・うがい30秒×3
・僧帽筋上部のストレッチ
・水風呂、顔に冷たい水
・咀嚼、嚥下
・胸鎖乳突筋の内側のマッサージ
・後頭部下1/3のマッサージ
・眼球心臓反射
目を閉じてまぶたの上から眼球を圧迫 5秒×3
・ハミング、歌を歌う
・耳甲介マッサージ
赤丸の部分です↓
腹側迷走神経の働きは免疫系の働きも助けるため、風邪を引きにくかったり、アレルギーになりにくかったり、大人から子どもや赤ちゃんまでみんな高めてあげたい身体の働きなだと思います。
我が家もアレルギーっ子とイヤイヤ期こじらせてるのかな?というような子どもたちがいるので、夜な夜な寝る前に首から上のマッサージをしたり、一緒にうがいをガラガラしたりしてみています。
子どもの発達の勉強をはじめて、また世界が広がって楽しいです。
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ラジオをはじめてみました。
読んだ本のこと、日々思う夫婦関係や育児のこと、思うままに語っています。
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