Yukikoのブログ

新潟市プライベート専門ピラティスStudio Fuu Yukikoのピラティスや日常のこと。プロフィール→http://yukiko-pilates.hatenablog.com/entry/2015/05/13/プロフィール

身体の土台と心の土台

日々育児と仕事に翻弄されて、ちょっと子どもたちが鼻水が出て咳が出始めたり、子どもたち2人が夜泣きで起こし合っていたりする日が数日続くだけで、心身がボロボロになってくる感覚があります。

お恥ずかしながら。

 

スタジオの方はありがたいことにオープンから4ヶ月で予約枠が満席になるようになり、新規再開のクライアント様の受付を月に1.2名に制限させて頂くことになりました。

 

スタジオ繁盛と共に、絶対休めない、期日までに仕事を仕上げなければならない、と勝手に自分を精神的に追い込み、子どもたちが咳をするだけで、明日保育園行けるかな、休むならどうやって時間調整しよう…いつ小児科連れて行こう、誰に連絡しなくちゃいけないかな…などなど、心に不安という靄がかかります。

 

本当なら、まず子どもたちの体調を心配しなくちゃいけないのに、、

 

 

そして夜泣き対応の細切れ睡眠と、一度起きるとすぐに眠れなくなって、浅い睡眠を朝まで繰り返して朝にはぐったりという日が続くと、朝保育園の準備をして時間通りに家を出られるように起きた瞬間から子供を急かし続けることへ、私何のために働いてるんだっけという矛盾と虚無感で、これは私、やばいな、ちょっと休まないと心身の調子崩しかけているなと思うわけです。

 

 

自分に余白がなさすぎて、右手でお客さんのメールの返信をしながら左手で小児科の電話番号検索しながら子どもの好きな歌を口ずさみ、今晩の夕食のメニュー考えて足りない食材買いにスーパーへ車を走らせることが出来る人はいますか。

誰もできないそんなことは。

でもそれをやろうとしてるんだと気がつき、問題を分解して一つずつやればできるんだから、と思いました。

 

 

仕事柄、身体の土台については本当によく考えて人にも伝えているし、ここのブログにもたくさん書いています。

でも私自身ちょっと心の土台を作らなくてはと改めて思っています。

 

幸せは、結局稼げることでも地位を得ることでもない、幸せは、周囲の人たちと温かな関係を築けていることだと、それに尽きると思うので。

まずは私自身の心の土台を作って、身体の土台と共に幸せに生きていけるよう余白を作っていきたいと思いました。

 

 

一体全体なんの話でしょうね。

こんなこと考えてたなって、いつか笑い話になるのかなぁ。

「やった感」を分解する

レッスンをしていて、特に私のレッスンを受け始めてまだ回数を重ねていない方から言われることで、もう少し「やった感」のあるレッスンがしたいです。と言われることがあります。

 

個人的に「やった感」と「身体の機能が向上すること」はイコールではないと考えているので、そもそも自分がレッスンに「やった感」という到達点を作っていないということがありますが、そもそも「やった感」とはなんぞや、ということを分解して考えてみたいと思います。

 

 

【考察】

ピラティスで何を獲得したいと思っているのか?

②一般的なピラティスのイメージ

 

ピラティスで何を獲得したいと思っているのか?

・健康維持、痛みのない快適な身体

・引き締まった肉体

・整った身体の形

などがあるのかなと考察します

 

②一般的なピラティスのイメージ

・レギンスを履きこなしてかっこよく動く

・ストレッチと筋トレ?

インナーマッスル

などかしら

 

【考察したものを分解】

・健康になりたい、引き締まった体になりたいとは?

→運動量が必要だろう(汗をかく、心拍数が上がる、身体を大きく動かす等)

→筋肉を使う必要があるだろう(筋肉痛、ストレッチ感)

などの深層心理が働いている?

 

・歪みに悩んでいる、痛みを取りたい

→ストレッチやトレーニングが必要だろう(こうしたら変わるという実感)

→なぜ歪むのか、痛むのか理解したい(知識)

自分ではできないこと分からないことを人に手助けしてもらおうとしている?

 

【考察まとめ】

クライアントさんの需要が前者(健康維持や引き締め)にある場合、クライアントさんの考える「健康」や「引き締め」のための動きと、私自身の考えるそれに相違がある。こちらの層から「やった感」を求められていると思われる。もちろん、私自身はピラティスは健康維持に非常に役立つし、引き締め効果もあると考えていますが、これについては後ほどくわしく。

後者である場合は需要と供給に相違が出にくく、「やった感」についての言及は少ない。

 

【健康であるとは】

健康の定義って、身体的・精神的・社会的に健全な状態であることを言いますよね。特に心身の健全性について個人的に考えることは、「痛みがなくて」「自分で自分を扱える実感」があれば、その人は健全だろうな、と推察します。

太っているとか、姿勢が悪いとか、脚がO脚で、とかそりゃ悩みは色々あると思います。でも大前提として、そんな状態でも今特に痛みもなくて、困ったことがあれば自分の生活の何かを変えてみようかなと思えるマインドがあれば、基本的には健全なんじゃないかなと思います。

痛い時は何かを変えなくてはならないし、今は痛くなくても痛くなるのが分かっているならやはり何かを変える必要がありますよね。

その上で、運動習慣のある人は病気になりずらいとか、色々良いことがたくさんありますので、「どこも痛くならないまま」「普段の生活の中で行う動作すら運動の一部となるよう」エクササイズに付加価値をつけるようレッスンしています。

レッスンの中だけで完結しないように、という考えが逆に、レッスンだけで完結させたい方には不足感があるのかもしれません。

私自身は、1日24時間ピラティスしていない時間の方が圧倒的に多い。普段何をしているか、の方が体に与える影響は大きいのではないかと考えていますが、レッスンに望むものを強制することはできません。なぜやっているのか、を伝えることは今後も私の課題です。

 

そして運動習慣におすすめなのは、いつも言っていますがウォーキングです!ピラティスインストラクターですが、毎日の運動習慣をつける、ということであれば、もう、歩く!これに尽きます。

 

【引き締めるためには】

「引き締まる」は、痩せると筋肉がつく、の2種類と定義します。

・汗をかけば引き締まる→○

・取った栄養以上にカロリーを消費すれば引き締まる→○

・筋肉を鍛えれば引き締まる→○

・骨格を整えれば引き締まる→○

・姿勢が良くなれば引き締まる→○

 

・関節が本来持つ可動域の中で最大限動けば引き締まる→○

・重力と床反力の関係性に無駄がなくなれば引き締まる→○

・身体全体が動きに対して呼応できるようになると引き締まる→○

・新しい感覚が目覚めると普段の動きが変わって引き締まる→○

 

敢えて途中で分けましたが、動きを指導する者として、筋肉使えば引き締まるよ、とか、骨格整えれば、とか、姿勢が良くなれば、とかは理想論でしかなく、じゃあどうやって?!を教えられなければ意味がないです。ちなみに、筋肉を使うも、骨格を整えるも、姿勢が良くなるも、土台として同じところに行きつきます。

そこの架け橋となる言葉がけが足りないのは、指導者としてのスキル不足だと思います。(私のこと)

あと、栄養の取り方について私は勉強不足です。運動指導は得意としていますが、今の段階ではダイエット指導は得意な方にお任せしています。

自分に必要な栄養素とか、どのタイミングで何を取ったらいいかとか、知りたいよね…。

 

【運動の順序】

①痛みを軽減・緩和

②鍛える前に整える

③整った状態で鍛える

私の行うピラティスは①(ポストリハビリの段階から。それ以前の場合は医療機関へ)と②の要素をふまえてから③に入っていきます。また、ピラティスで①、②を行い、③でウォーキングするのもとてもおすすめ。(アスリートは特定の動作を鍛えます)

 

具体的には

①自分の身体を知覚する→②緩めるまたはストレッチ→③うまく使えていない部分を活性化する→④関節内を動かす→⑤鍛える→⑥有酸素運動

という流れをイメージしています。この順序があるからこそ、安全で効果的な運動につなげることができると考えています。特に①は本当に大事。ここに全てのコツが詰まっていると言っても過言ではない。

ちなみに、レッスンで⑥の有酸素運動は取り入れられません。なのでここはぜひウォーキングで…(何回言うの)

 

 

【やった感を感じやすい受容体】

「やった感」を、長期的な目線での変化ではなく、瞬発的または翌日くらいまでの期間での実感についてとすると、それを感じやすい受容体というものが私たちの筋肉や筋膜の中にはあります。

それを刺激してやると、「やった感」につながりやすくなります。例えば肩こりを訴える人に凝ってますねぇとグリグリ押すとか。その瞬間は気持ちよさを感じますよね。

ストレッチもグイグイ押したり、筋トレも汗が噴き出して声が出るくらい苦しいものもあるし、それを乗り越えたんだと思えることは自分の心を支えてくれると思います。

やった感自体を否定しているつもりはありません。

そこへたどり着くまでの順序が整っていないと、不良動作の繰り返しは怪我につながるし、目的(例えば骨格を整えたいとか)に近づくための土台がない場合、たまたま成功する人もいるでしょうが、万人が全員目的を達成することもできないでしょう。

 

【まとめ】

「やった感」を求められてしまうのは、私の情報開示の仕方に問題がある。

地味な動きが多いのはなぜか、何のためにやっているのか、という点をもっともっと分かりやすく伝える必要がある。

レッスンが終わった後に「やった感」や「達成感」は少ないかもしれないが、「爽快感」や「心地よさ」を感じることはできると思う。

それが私自身の考える心身の健康(痛みがないこと、自分で自分を扱えるという実感)につながると考えている。

やってよかったと思ってもらえるようなレッスンをしていきたい。

 

 

 

【補足】

「自分で自分を扱える」とは、脚を細くしたいとか、姿勢が良くなりたいとか、所作の美しい人になりたいとか、そういう希望を叶えるための行動ができるし、行動したことで何かを感じることができる状態、を想定しています。

 

 

以上、分析と自己反省の時間でした。

感覚を統合するとできることが増える

運動にせよ、学習にせよ、大人も子供も私たちは何か新しいことを習得するためにいくつかのステップを踏んで「できた」「わかった」にたどり着いています。

 

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何か新しいことを習得しようとしたとき、また、今できることをより精度高く高度にできるようになろうとしたときに、まず筋トレするのか、繰り返し同じことを何度もやるのか、というと、この写真のピラミッドの土台のどこかが足りていないとその努力がなかなか実を結ばない、ということがあるかもしれません。

 

特に一番下の土台。

視覚・何がどんな風に見えているのか

前庭覚・身体の傾きやスピードを感じられているか

固有受容感覚・関節や筋肉がどのくらい収縮してどんな位置にあるのか

触覚・どんな感じのものに触れているのか

聴覚・何がどこで聞こえているか

 

これらの基礎的な感覚が備わっているか??

と聞かれると、いや、普通に分かるでしょ、と思うと思うのですが、意外とちゃんと確認してみると見てるようで見てない、どんな風に動いてるか気にしてない、聞こえない、触れてるって気づいてない、ということもあるんです。

 

例えば、

今視界の端には何が見えますか?デバイスの向こう側の背景、何がある?

今お尻より頭は前にある?(鏡見ないで分かります?)

バイスを見るのに腕はどのくらい曲げてる?(目で確認しないで分かります?)

下着の感触はどんな感じ?

右耳と左耳それぞれどんな音がしてる?

 

こんなことずーっと感じ続けてたら頭がパンクするので、脳は賢いので情報を選択してボリュームをコントロールしながら生活しています。

しかし、いつもミュートにしっぱなしの感覚は、こうやって一度言語化して気にしてみないと分かってるけど気にしてない、という状況あるんじゃないかと思います。

 

 

レッスンの中でこの基礎的な感覚のどこを使っているのか、またどこをあまり使っていないのかにも注目して見ています。

鏡がないと動けない、という方は典型的に視覚優位だし、逆に目を閉じなくては動けない場合は視覚をシャットアウトして代わりに固有感覚を優位にしなくてはそこの感覚が生まれないのかな、とか。

最近始めたオンラインレッスンでは特に動画を観てくださる方自身で気づきが生まれるよう、無意識に意識が向くよう繰り返しキューイングしています。

 

これらの感覚を統合して動くことができれば、「何をしているのか」「何が違うのか」が自ずと分かるようになってきます。

「わかる」から、できることが増えていく。

 

よくレッスンで、動きの前後を比べて何か変わりましたか?とチェックすることがあると思うのですが、この土台の方につまづきのある方は違いが分からなかったり、言葉で説明することができないことがあります。

言語能力はピラミッドの上の方に位置しています。

自分のしていること、感じていることを言葉で表現するのは実は結構ハードルの高い作業です。

 

このピラミッドの頂点には「学習」も含まれます。運動だけでなく、知能的な面でも感覚を育てることは大切な基礎力になっています。

 

さて、じゃあ基礎的な5つの土台はいつ育てるのでしょうか。

それはやっぱり、生まれてからの数年間がとても大切になります。

頼まなくても小さい人たちは感覚に対してとても貪欲。

自分の身体をめいっぱい使って、色んな方向へ、色んな条件の中で動かす。

(大人から見たら迷惑に感じるようなことでも)色んなものに触れ、投げたり、ぶら下がったり、飛んだり転がったり、空を見たり風を感じたり裸足で波打ち際を駆け回ったり。

子どもは遊びが仕事。環境だけ整えて、夢中になっていることを邪魔しない。

 

この基礎があれば、生きる力につながると考えています。

 

 

しかしこのブログを読んでいる方は生まれて数年の方はいませんね。

でももう大人になっちゃったわ~という方も大丈夫。

「意識を向ける」ということは何歳になってもできますし、訓練次第で上達もどんどんしていくことができます。

瞑想やマインドフルネスが代表的なものの一つですね。

 

 

それから、じゃあ目が見えない方は高度な運動や学習ができないのか、と言うと、ご存知の通りそうではありません。

脳が視覚を補うように他の感覚が研ぎ澄まされ、目が見える人には判別できないような点字に触れて読めるようになったり(トレーニングされているからですが)、遠くから聞こえる音に敏感に反応できたりします。

ねばならぬに縛られないのが脳。柔軟に補い合うことができる、レジリエンスの塊。

 

 

外の情報ばかりに目が行くとか、

自分のことはいつも後回しで他人のことばかり気にかけているとか、

人からどう見られるかが気になって、自分がどう感じるかよりも人がどう感じるかばかり気にしてしまうとか。

 

そんな方は特に、感じてるかな??って自問自答する時間を作ると、急がば回れ、で、自分のできることが増えて、周囲の環境も変わるかも、変わらないかも。

 

 

 

 

感覚統合については非常にこちらのサイトの説明が分かりやすかったので載せておきます。

1人ひとりの「感覚の特性」を考えよう!よく聞く感覚統合ってなに?【LITALICO発達ナビ】

 

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先日ピラティス5年目の70代男性クライアントさんのレッスンノートを見せて頂きました。

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丁寧で絵が上手!

書かないと忘れちゃうんですと笑っていましたが、毎度こんなにちゃんと書いていてくれると思うと嬉しくなっちゃいますね。

 

冒頭のピラミッドを書いたホワイトボードの写真はこのクライアントさんがちゃんとノートに取りたい!とのことで書きました。

最初2年くらいはなかなか自分の身体を感じることが苦手で、エクササイズをしていてもどこも動いている気がしない、と言っていたのですが、最近は自分なりの言葉でスラスラと「こんな感じで動いている」と説明してくださるので、二人で手をたたきながらすごい~!と笑っています。

 

 

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新潟市中央区のマシンピラティススタジオ

Studio Fuu

スタジオでのプライベートレッスンの他、月12回(1回20分)の動画配信プランもあります

studiofuu.com

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