股関節は骨盤側の寛骨臼というくぼみに、大腿骨の骨頭がはまりこんでできています。
しかしこの股関節は、普段の姿勢などにより、前方や後方へ移動してしまったり、適合性が悪くなってしまうことがあります。
例えばこんな姿勢や
こんな姿勢でいる場合
大腿骨頭は骨盤の前側に押しやられ、なんだか脚の付け根が痛いんだよなぁとか、鼠径部の辺りに違和感を感じたりすることもあります。
問題はこれだけでなく、腰椎では多裂筋のテンションが保てず、骨盤周りや腰回りの痛みなどが出てきたり、骨盤底筋が硬くなり呼吸が浅くなる、といったデメリットもあります。
骨頭が股関節に深く沈み込める、大腿骨を背骨の方に引きつけておける、というのは、コアや骨盤底筋の柔軟性、背骨にとってなくてはならない状態です。
股関節というのは、そけい部の辺り(身体の前面)にあると思っている方も多いのですが、実際にはお尻の内側の辺りにあります。
膝を立てて仰向けに寝た場合は、大腿骨の後ろ側が床の近くまで沈み込みます。
お尻側に股関節があることを意識できると、動きのイメージが持ちやすくなります。
ピラティスのマットエクササイズで、シングルレッグストレッチやダブルレッグストレッチのようなエクササイズをする時に、「つま先を遠くに伸ばす〜!遠くに伸ばす〜!」のキューイングだけでは前ももの大腿直筋ばかりが疲れてしまうという場合がよくあります。
伸びるのと同じくらい大切なのは大腿骨頭を「引き込む」こと。
骨盤をニュートラルに保ち、大腿骨を背骨の方へ引き込むように使うことで、背骨の前側で大腰筋、背骨の後ろ側で多裂筋のトーンが作れ、コアのスイッチが自然と入ります。
レッスンで「お腹をしめて」という言葉を使わないのは、股関節がうまく適合していて、多裂筋に良いトーンがあって、うまく呼吸ができていれば自然とお腹に力が入るからです。
小さな動きでも十分に腹筋群の働きを感じることができ、1.2分もエクササイズをすれば筋肉痛になることもあります。
股関節のはまりが悪くなっているんじゃないか、と思う方は、脚を開いて椅子に浅めに座り、恥骨と太ももの間くらいに重心を置きます。
腰椎の前側と後ろ側両方が伸びていくようなイメージを持ってつむじを高くしておき、両手を腰椎の両サイドに当てると、背骨の両サイドに筋肉が盛り上がっているのが確認できると思います。
できない場合ば重心が後ろにある場合があるので、もっと前に重心を移してください。
その背骨の両サイドの筋肉がなくならないよう、お尻を後ろに引くように前屈します。
両サイドの筋肉がなくなる場合は腰椎が曲がってきてしまっているので、筋肉を保てるように、背骨を動かすのではなく股関節(お尻)から動いて下さい。
30度くらい前屈すれば十分に感じられるので、たくさん動く必要はありません。
うまくいくと、真っ直ぐに座っている時よりももっと腰の筋肉とお腹の筋肉両方にテンションがかかっているのが分かると思います。
この時、股関節に大腿骨頭が深く沈んだ状態を受動的に作っています。
骨頭が沈むと多裂筋にテンションがかかる、という相関性が感じられると思います。
コアと呼ばれる姿勢を保つ筋肉は、横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群、大腰筋後部繊維です。
これらの筋肉を働かせるために、その場所自体を意識するだけでなく、離れた場所からアプローチすることもでき、そうすると身体全体の統合された感覚が身についてくるかもしれませんね。
※エクササイズは自己責任のもとで行なってください。
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