Yukikoのブログ

新潟市プライベート専門ピラティスStudio Fuu Yukikoのピラティスや日常のこと。プロフィール→http://yukiko-pilates.hatenablog.com/entry/2015/05/13/プロフィール

手術後の心身のケア

身体にメスを入れた時、自分でできるケアの方法をご紹介します。

 

どんな理由であれ身体にメスを入れるというのは必ず痛みが伴います。

身体が痛いだけではなく、不安などの心理的なストレスもあるでしょう。

 

切ったところはしばらくすると、コラーゲンが集まり周辺の組織が集まってきて癒着していきます。

時間が経つにつれて切った場所は(皮膚だけではなくその下でも)組織が厚くなり固くなっていきます。

 

往々にして痛みがあった部位というのは「そこを感じないようにしよう」としがちです。

切って縫った場所など見たくない。怖くて患部を動かせない。と言った感じに。

 

ところが、脳は動かさない場所のことは忘れていきます。ただでさえ組織が集まり固くなりやすい場所。動かさない、感じないでいる場所は感覚が下がってしまいます。

すると切った場所そのものではなく、遠くで不調が起きてきたりします。

首の手術後しばらくして股関節が痛くなるとか、足首の手術後肩が痛くなるとか。

全身に違和感が出ることで、なんとなく調子が戻りきらないと感じたり、元の自分ではなくなったように感じてしまったり。

 

これから記載するケアは、自分が無理なくできる範囲で、ご自身の責任においてされるようにしてください。

患部のそばを触る場合、手や道具は清潔なものを使ってください。

 

コンセプトは以下の通り

①術後3日〜1ヶ月

縫った場所は触らない

・縫った場所から3〜5センチほど離れた場所の皮膚を上下左右、円を描くようにゆっくり引っ張る(テンションがピーンとかかりすぎないように。)

・上に引っ張ったまま、近くの関節を動かす

(例えばお腹に傷がある場合は首か肩関節か股関節の傷に近い方、顔の傷なら顎、手首なら肘、膝なら股関節か足首といった感じです)

・関節は直線的に動かしたり、円を描くように動かしたりします

・同じように皮膚を引っ張ったまま関節を動かす、を身体の向きを変えて行う(前を向いて、ではなく、横を向いたり、すこし上や下を見てみたり)

・上下左右、円、を試して、一番身体が楽になる、関節が動かしやすく感じる組み合わせを見つけたら、1日数回良い組み合わせのものだけを行う

・傷口に近い皮膚を広い面積で優しくこする(ティッシュなどで撫でるくらいでもオッケー)or爪楊枝などでそっとつつくor電動歯ブラシなどバイブレーションで揺らす

②術後1ヶ月以上たち抜糸が終わり、入浴ができる、傷口が閉じて触っても痛みがない場合。

・傷口をホッカイロなどであたためながらギュっと押し込む、押し込んだら押し込みながら皮膚をドアノブを回すみたいに捻る。反対回しも

・↑をやりながら近位の関節を動かす

・↑を体の向きを変えてやる

・傷口にシャワーのお湯を当てる、傷口と反対側にも当てる(お腹の傷なら背中、右足の傷なら左足など)

シャワーの温度が冷たく感じた方があれば、そちら側にシャワーを回しながらしばらくかける

 

動画がないと分かりづらいですよね。

いつかリクエストがあれば作ろうと思います。

 

まぶたにできた粉瘤を取る手術をしました。

あっという間に切り取れたし痛みもないですが、保護テープを貼っていたり縫った糸のつっぱりを感じたり、目の近くなので術側へ目が動かしづらかったり、小さな手術でもちょっとした違和感があります。

このまま放置していると不調につながるなぁと実感したので色々と感覚のエクササイズをしながら動かしています。

今のところ順調に回復している感じ。

 

なかなか一般の方が自分で術後のケアできる情報ないよなと思ったのと、こうすればいいんだ、が分かることが安心材料の一つになると思ったので公開しました。

何をすればいいか分かる、は、心のケアにもつながりますよね。

 

できる範囲で、無理なく行ってくださいね。

今ご苦労されている方へ、少しでも楽に、自分の身体への信頼感を取り戻せるよう、早い回復をお祈りします。

 

【補足】

手術後のワークはどんな考え方から来ているの??
と専門家の方から聞いていただいているので。


①機械受容器
・パチニ小体(圧の変化と振動)
→皮膚を色んな方向へ引っ張ったり電動歯ブラシ
・ルフィニ小体(持続的な圧)
→皮膚引っ張ったまま近位の関節動かす


②深部感覚器
・筋紡錘(早く動く、ゆっくり動く)
・ゴルジ腱器官(筋肉の張力)
→関節動かす、向きを変える


③自由神経終末
・侵害受容器(痛覚)
→爪楊枝でつつく
・温度覚
→シャワー

 

機械受容器や深部感覚器からの信号は後索から延髄、小脳、皮質へ
温度や痛覚は脊髄視床路から視床へ情報を送る。

 

手術した箇所の感覚入力が足りないことで引き起こされる二次的な機能や構造の変化(手術した場所と違う場所が痛くなる、とか)さらなる情報不足の悪循環を断つために、必要な刺激=動きが良くなる(必要な刺激は人それぞれ)を選択してやってみてと言うアイディアです。


こう書いてみると説明違うよ!とか色々と突っ込みどころがあるでしょうが…。

一般の運動指導者のアイディアの一つですので…
一部マリジョゼの教えからのシェアはありますが、メソッドとかは特にありません🙏