Yukikoのブログ

新潟市プライベート専門ピラティスStudio Fuu Yukikoのピラティスや日常のこと。プロフィール→http://yukiko-pilates.hatenablog.com/entry/2015/05/13/プロフィール

無意識の姿勢を作るもの①「抑制」

姿勢や動作を「意識」して変化させている場合、その目的を果たそうと働くのは「大脳皮質や小脳」という場所です。

 

その大脳皮質や小脳の働きを一言で表すと、「抑制すること」、という言い方もできると思います。

一体何を抑制しているんでしょうか?

それは…「本能的な反応」なのです。

本能的な反応、というのは、生命維持のために必要な機能であり、反射や呼吸、嚥下、消化、などなど、生きていくために「こうしよう」などと考えなくても、勝手に起こる反応です。

 

例えば、私たちの目は、動くものの方へ注意を向ける、という性質があります。

これは危機を察知して身を守るための能力として本能的な反応です。

しかしいつも動くものの方へばかり気をとられていては、注意力散漫で目の前の一点に集中することはできません。

動くものの方へ注意を向けたい本能的な性質を、大脳皮質が「抑制し」、目の前の集中すべき事柄へ意識を向け続けるということは、とても高次で難しいタスクなのです。

だからまだ脳が未熟な子供は自分を抑えることができず、お腹がすいたから泣く、とか、食事中だけど席を離れて遊びたい、など、大人なら我慢できることを我慢できずに行っているんですよね。

 

ここでひとつテストを。

 

真ん中の黒い+を集中して見ます。

本当に、真ん中の+を注視できている時、周りのピンクの円は消えます。

 

消えましたか?

消せた方は消えた状態を5秒~20秒くらい保てるか数えてみてください。

 

全く消せない人も多いのです。

どうしても動いているピンクの円に目が行ってしまう。

こういう簡単なテストでも、どのくらい自分の抑制力が働いているかを知るための目安のひとつになります。

 

これができないということは、毎度意識を向けたいものから目が離れ、また戻す、という労力が発生します。

小さなことですが、その繰り返しが疲労感や姿勢の崩れにつながるだけでなく、計画性がない行動、感情の起伏が激しいなどの問題につながっていくと考えられます。

 

目の前でやってできた方は、画像を自分の目線の上下左右ななめの8方向それぞれでもやってみると苦手な箇所が出てくると思います。(顔は前を向けたまま、目だけ向けます)

視線の向きによって働く脳神経の部位が変わり、もちろん左右によってもいわゆる右脳、左脳の働きどちらが良くないのかも分かります。

その場所は特定的にこの画像を使ってトレーニングしていくことで、疲れやすさに変化が出たり、もちろん姿勢や動作が変わると言うこともあります。

 

全然できなかった方は以下のどれかをやってみて、消せるようにならないか試してみてください。

 

①眼のリラックス(中脳)

・目を覆うように両手でふさぎ、目を閉じる

・30秒間暗闇を見る

(チカチカしたものが見えたり、もやもやしたものが見えている場合、視神経が過活性になっているので、真っ暗を見ようと意識してください)

 

②認知系のゲーム(前頭葉

ストループ

・書かれている文字ではなく、色を言う

・左上から横向きに読んでいき、30秒でどこまで進めるか

 

③縦方向のVOR(前庭と中脳)

・本棚の本やカレンダーの文字など、なにか文字や数字のターゲットを決める(このまま上のストループの文字をどれか一つ見ていてもいいですね)

・その文字を見たまま、(見ている視点がずれないように)上下に頭をふる 5~10往復

 

④背骨を動かす(前庭と小脳)

・胸椎を丸めたり反ったり、左右に側屈したり、回したり

 

⑤片手ずつ手首を回す(小脳虫部)

・手首で8の字を描くように手首を回す(内回し、外回し)

 

もう一度+とピンク丸の画像を見てみると、先ほどよりも消しやすくなるかもしれません。

 

 

人間を、人間たらしめている構造は二足歩行

いかに本能を抑制できるか(認知と思考の発展)

 

だと思う今日この頃。

偉そうに言っていますが、私もこのテスト、全方向ではできません!笑

注意が飛んで飛んで~

できなかったそこのあなたも、一緒に練習しましょう~!

 

 

次回は本能的な反応の方について書きます。

 

ーーー

先日ビッグバンドのJazzライブを聴きに行く機会がありまして、音楽って全身で聴くものだよねって改めて思いました。

もちろんそこには音があり、目の前で繰り広げられる演奏者の方々の姿を目撃します。

音の振動でお尻がビリビリと揺れ、会場のお酒と食事と春の雨の混ざった香りがします。

リズムに合わせて身体を揺らし、一緒にライブを楽しんでいるお客さんたちの笑顔や反応を見て、感情も大きく揺れ動きます。

何かの感情が沸き上がる=自律神経が反応し、血圧が上がったり、体温が上がったりすること。さらにそういった自分の身体の内部感覚や音、振動、におい、視覚といった外部感覚に、意味付け(今日ここへ来てよかった!最高!)をすること。

 

身体や心に起こるダイナミックな反応に、ライブに来ている方の健康寿命半年くらい伸びるんじゃない?と思うくらい(わりとご高齢の方が多かった)音楽の持つ力の大きさに嬉しくなった夜でした。

 

 

何が言いたいかというと、本当最高だった!ってこと!

やっぱり生音に敵う音楽はないですね~

 

 

脳神経のことを勉強するようになって、自分の周囲で起きることを全部脳神経的に理解したくなるのは、「初心者アルアル」なんだよね。

以前は全部を解剖学的視点で人を見る「アルアル」時期もあったし。

 

色んな視点で世の中を見たい感じたい。

ふふふ。