Yukikoのブログ

新潟市プライベート専門ピラティスStudio Fuu Yukikoのピラティスや日常のこと。プロフィール→http://yukiko-pilates.hatenablog.com/entry/2015/05/13/プロフィール

原始反射 

原始反射とは、赤ちゃんが生き延びるために持っている反射です。

 

・産道を通る

・おっぱいを飲む

・手に触れたものをつかむ

・音に反応する

 

などなど、生まれたばかりの赤ちゃんを見ていると、母親の乳首を探して咥えるとか、やっと抱っこで寝たと思ったらベッドに下ろした途端背中スイッチで起きちゃったとか、手のひらに指をそっとそえるとギューッと握ってくれるとか、そういうものは全て、反射で起きているもので、赤ちゃんが意識して随意運動のように行っているものではありません。

 

原始反射は必要な期間活動し、発育が次のステップに進むと脳の発達によって抑制されるようになっていきます。これは原始反射が消えてなくなるわけではなく、抑制されて休眠状態になっているということです。

通常どの原始反射も生後12か月程度で統合されてるものですが、この原始反射が何らかの理由で未統合だったり、脳震盪や妊娠出産、怪我、脳の機能低下などで休眠から目覚めてしまっていると、不随意(意識しない)の運動パターンが出てきてしまい、緊張や不安定さを出してしまうことがあります。

 

原始反射の中で抑制されないと発達の過程で困り感につながりやすい代表的なものをご紹介します。

 

恐怖麻痺反射

お母さんのお腹の中で受胎後2週間くらいから発現しています。母体が脅威にさらされた時、胎児は即時に運動を麻痺させ、末梢血流を制限し、心拍数を低下させます。これによって胎児はストレスが体内に入らないように自分を守るだけでなく、お母さんは生理的資源をすべて自分の生命を守るために使うことができ、結果として母体と胎児両方を守るための役割があります。

・抑制される時期

生後12週でモロー反射に統合される

・反射が残っているとどうなるか

呼吸停止(乳幼児突然死症候群との関連も考えられている)、不整脈てんかんなどの重篤なものから、圧倒的な恐怖・不安から親から離れられない、感覚過敏であらゆるものに嫌がる反応、ストレスの多い状況をうまく管理できない、他人の前で固まるなど

 

モロー反射

例えば、寝ていた赤ちゃんが突然ビクっと両腕を開いて目を覚ましオギャーオギャーと泣いているのを見たことはありませんか?

これはモロー反射と言って、外部からの突然の刺激から自分を守るために起こる不随意運動です。

・脅威となる刺激

触覚や聴覚、前庭感覚(落下感覚など)

・抑制される時期

生後4ヶ月ごろ。

・反射がのこっているとどうなるか

何かが触れたり、大きな音を聞いたり、エレベーターに乗っているだけで、過剰な自律神経の反応(発汗や心拍の上昇)身体の緊張、恐怖感が起こるなど、感覚過敏、逃避、共感性が育たない、意思決定が苦手、精神不安などにつながる

 

緊張性迷路反射

頭の前面と後面の区別と調整を助けるための反射。頭が背骨の前にある時には背骨を丸め、頭が背骨の後ろにある時には背骨を反る。

・抑制される時期

前の反射は生後4か月、後ろの反射は3歳ごろまでに統合される

・反射がのこっているとどうなるか

頭の位置に応じた筋肉の屈曲と伸展の調整ができないため、直立姿勢が取れない、頭が傾く、前庭能力(バランスを取る能力)や固有感覚(身体の位置がどこにあるかや筋肉や関節の感覚)に問題が起こる、視運動の苦手さ、空間的な身体感覚をつかむことが難しくなる

 

非対称性緊張性反射

頭が左右に向くことに反応する反射。頭が右を向くと、左腕と左脚が曲がる。うつ伏せで窒息しないために使っている。また出産時に産道を通るためにも必要。

・出現と抑制

受胎から18週で出現し、生後6か月で統合

・この反射が残っていると

身体を動かすのがぎこちなく苦手、字や絵がうまく書けない、音を聞き分けることが難しい。微細運動や粗大運動の苦手さ、聴覚処理、視覚、前庭覚、集中力、注意力などに影響。

 

対称性緊張性頸反射

頭の上下に対する不随意運動。上半身と下半身の区別と調整を助ける。重力に逆らって両手と両ひざをついてハイハイすることを可能にする。

・出現と抑制

生後6~9か月で出現し、9~11ヶ月で統合する

・この反射が残っていると

ハイハイをしない、机に突っ伏して作業する、両眼視が苦手で両目を等しく動かすことができない、手先が不器用、手と眼の協調がうまくいかない

 

脊椎ガラント反射

背骨の刺激で側屈が起こる。出産の助けになる動き

・出現と抑制

受胎後20週で出現し、生後3~9か月で統合

・この反射が残っているとどうなるか

特に左右の片方にだけ残っていると姿勢に悪影響、おねしょ、集中力の低下、これから発達していく姿勢反射(前庭動眼反射や前庭頸反射など)に影響

 

足底反射(バビンスキー反射)

直立二足歩行を行うために必要な反射。踵の外側から親指付けに向かってなぞると指が反る

・抑制

生後3ヶ月くらい

・この反射がのこっていると

つま先歩き、バランスが悪い、裸足で砂浜や芝生を歩けない、姿勢が悪くなる

 

把握反射

ものを握れるようになるための反射。物がてのひらに触れるとぎゅっと握る

・抑制

生後2~3ヶ月で統合され、生後10か月ごろからつまみ運動に移行する

・これが残っているとどうなるか

手先が不器用、スピーチや発音と関連、学習が困難

 

読んでみてくださった方は気が付いたかもしれませんが、育てるのが困難と思われるお子さんの反応が集まっているように見えるかもしれません。

発達障害と呼ばれるような方にはこれらの反応が残っていることもよく見られ、これらの反射の抑制をすることで(栄養指導などと併せて)生きづらさが軽減するよう支援をしている団体もあります。

 

もちろんこれは子供だけのものではありません。大人にも再出現している場合があり、日常の中でありふれた刺激に対して不随意にこのような反応を示してしまっていては、とても生活しにくくなってしまいそうです。

そして自分ではなかなかそれを自覚できません(不随意の反応のため)

 

大人でモロー反射が抑制できていない状態で、疲れやすいからと言って毎週マッサージに行ったり筋トレをしているだけでは状況の改善ができない場合がある。

 

これ私あるかも、息子さんや娘さんに当て余るかもと感じる方は、反射が残っているのかのチェック方法や抑制するためのエクササイズはそんなに難しいものではないので、自分のために行う程度であればYoutubeなどで検索して出てくるものを試しても大丈夫かもしれませんが、根本的には他のチェック項目と併せて栄養改善とセットで行うものなので、お子さんなどに行う場合はそのエクササイズだけで良くなることを期待せず、専門家にご相談をおねがいします。

 

 

--------------

我が子を妊娠出産したばかりの頃はこのような知識はなかったけど、なんとなく色んな刺激をしてあげるのがいい気がして、0歳で保育園に入れなかった田舎の3月末生まれ長男は、0歳の頃は私と一緒にスタジオに出勤した後、毎日毎日外の芝生に転がして遊んだり、海へ連れて行って砂浜をずりばいさせたり水あそびしたりしていたせいか、なんだか身体が強いし、ふとした時にぐぐっとできるようになることが多い気がします。

対して生後2ヶ月で保育園に入り、全くお散歩などの外遊びがない園だった次男は皮膚が弱かったり感情コントロールがうまくいかなかったり…まだ小さいのでこれからと見守っていますが、ごめんねと言う気持ちが耐えられず、2歳になってから外遊びをたっぷりさせてくれる園に転園させたりして。

 

子連れ出勤していた一人目は大変過ぎて死にそうになっていたけど、小さい時から園に行ってくれた次男をほったらかしてしまったかと後悔しても遅し…

同じことはしてあげられなかったんだよなぁ…

 

大事な大事な子どもたちを育てさせてもらえている。

この子たちを大事にするには、知識がいるんだ、と思う夏の終わり。