妊娠期の血圧変化
・妊娠前と変わらないか低下
普段100くらいの方が80くらいになることもある
・血圧が低くなると脳への血流が保たれない
倦怠感、疲れやすい、めまいなどが起こりやすくなる
血圧とは
・1回の心拍で送り出すことができる量×血管の抵抗圧
心拍は平常時50~70回くらい
血管抵抗圧とは
・血液が血管を押し広げる力
動脈硬化の場合押し広げる圧が高くなるから血圧が上がる
血管の弾力が血圧に関わる
妊娠中に血圧が下がるのはなぜか
・妊娠中は赤ちゃんの分の水分量や羊水により、身体の水分量が増える
・全身をめぐる血液量が増える
・心臓から出る血液量も増える
・プロゲステロンの影響により血管平滑筋の弛緩が起こるため、末梢血管抵抗性が下がる
妊娠中の生理的変化のため、できることは何もない
妊娠中の低血圧に対する運動
ふらふらする、めまいがする、疲れやすいなどの場合も、妊婦検診の結果が徐々に低血圧になっている場合は、ホルモンによる生理的変化のためなので、運動を制限するメリットより、運動をするメリットが上回る場合もあります。
もしも抵抗圧に変化がなかったら
・妊娠高血圧
妊娠期の貧血
・動悸、立ちくらみ、疲労感、息切れ
低血圧の症状と似ているため、妊婦検診の血液検査の結果を見て、どちらに由来するものなのか判断します
妊娠期に貧血になりやすい原因
・水血症になるため
・胎児への鉄分供給量が増えるため
血液の分類
・血漿成分
・血球成分
赤血球、白血球、血小板など
こちらが貧血に関わる
水血症とは
・血漿成分だけが増えること
妊娠前と血球成分の量は変わらないのに、血漿成分が増えることで血液が薄まる
妊娠期のむくみ
・動脈から水分が出る
・老廃物が静脈へ戻る
アルブミン(血液中のたんぱく質)が水分を引き付けることで静脈内に水分が戻ることができる
・戻りきれないものはリンパ液に行く
・妊娠中は血液成分が相対的に薄くなるため、アルブミンの量も相対的に減ってしまう。そのため、老廃物が静脈に戻ることができず、むくみにつながる
・赤ちゃんが大きくなって、動脈と静脈を圧迫することでむくむ
お腹が張る
何かしらの原因により子宮が収縮している状態
①生理的収縮
②胎動による収縮
③靭帯、皮膚の引っ張りによる収縮
④切迫早産所見
①生理的収縮
妊娠中期以降、つわりが治まり活動量が増える時期に伴い起こることが多い
・安静にするとすぐ治る
・痛みを伴わない
・繰り返さない
1日1.2回。後期でも1日3.4回
・立ち上がると張る、などは違う
②胎動による収縮
赤ちゃんが動いて子宮が一時的に広がり、元に戻る時に収縮を感じる
・持続しない
・痛みを伴わない
お腹が張っているのか、胎動なのかどちらか判断しづらい
③靭帯、皮膚の引っ張りによる収縮
実際には子宮収縮は起こっていないが、靭帯や皮膚が引っ張られることによって子宮が収縮しているように感じる
・持続する収縮感を感じるが、お腹を触ると柔らかい
・座位になったり横になるとツッパリ感が取れて改善する人もいる
④切迫早産
・動くたびに子宮の収縮を感じる
・安静時にも子宮の収縮を感じる
・お腹が固くなっていると感じる
・頻回に起こる
・出血や痛みを伴う
日中は立仕事で夜になるとカチカチ、1時間に3.4回張る、痛い感じがするなどの場合は運動はストップし受診して確認を
妊娠期の運動について
良好な妊娠経過をたどっている場合、妊娠期に適度な運動を行うことは、母親だけでなく胎児にとっても良い影響があることが数々の研究で分かっています。
妊娠期の運動はガイドラインに沿って行います
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/202009034A-buntan18_0.pdf
妊娠中の運動についての記事はこちら
妊娠中のピラティスやヨガなどの運動について①初期(~12週) - Yukikoのブログ
妊娠中のピラティスやヨガなどの運動について②中期(13〜26週) - Yukikoのブログ