感覚ってあれでしょ、五感でしょ?
味覚・視覚・嗅覚・聴覚・触覚でしょ??
これくらいは多分一般の方でもよく知っていることだと思います。
その中の触覚について今日は深掘ってみたいと思います。
皮膚に触られる感覚のことよね。
その通りなのですが、一言に触れた感覚、と言っても私たちは様々な感覚を持ち合わせています。
Aグループ
・優しいタッチ
・心地よい圧
・振動(バイブレーション)
・2点識別(二か所に触れた時に、それが別々の場所だと分かる最短距離)
Bグループ
・温度
・痛み
・粗雑なタッチ
・かゆみ
・くすぐったさ
一言に触覚といっても、私たちの身体はこれだけの「触覚」をそれぞれ別のものとして認識しています。
以前お話した脳内にある身体マップが不明瞭だと、身体が固くなったり痛みを誘発したりして動きを制限してしまいますよ。というお話に通じるのですが、
触覚の中でも特にAグループの感覚が足りなくなっている人は、例えばアロママッサージなどに行くととてもリラックスできたり身体が楽になったりするかもしれません。
逆にBグループの刺激が足りない人は、アロママッサージよりも鍼が効くかもしれません。
Bグループの刺激はあまり良いものじゃないんじゃない?と思うかもしれませんが、痛みや粗雑な感覚も私たちにとっては大切な情報で、マップを構成するための大事なピースです。(触覚のなかの痛覚は皮膚の上の痛みの感覚のことで、ずっと腰が痛いとか、お腹が痛いとかのような痛みをさしているわけではありません)
Aグループは後索路という神経の経路を通って脳に感覚情報が伝えられているのに対し、Bグループは脊髄視床路という経路で脳につながっています。
そのため人によって鍼が効く人がいれば、誰かに抱きしめてもらう(心地よい持続圧)方が効く人もいるのです。
肌と言う、伸び縮みして、傷がついても修復可能で、外敵から身体を守って、水をはじいて、自分と世界の境目になってくれて、全身を包み込んでくれている超高性能感覚器。
皮膚ってどんな服よりも価値が高い、そう思いませんか?
触覚を知っていると、自分に合ったセラピーも選びやすい?かもね。
Aグループ
・マッサージガン
・ゆっくり滑らすようなマッサージ
・髪の毛をブラシでとかす
・よく泡立てたタオルで身体を優しく洗う
・毛布などにくるまる
・身体をさする
Bグループ
・温かいお風呂につかる
・冷たいシャワーを浴びる
・ゴリゴリ押すマッサージ
・こちょこちょ
などなど。
どちらの刺激も大事ですということをお忘れなく。
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最近ちらほら神経学を使ったトレーニング方法というものを耳にするようになってきました。(わたしだけ??)
つい最近のオンラインレッスンを受けてくれているクライアントの変化(こういうの載せるのはじめてですね。)
上がビフォー、下がアフター。
たった5分、目と前庭の刺激をしただけです。
筋トレもストレッチもマッサージもしていません。
良い姿勢とはどんな姿勢なのかについての説明もしていない。
それでも、お腹のふくらみ方や、肩が骨盤の真上に来ているなど変化がみえるのではないかなと思うのですがいかがでしょう。
私はピラティスのインストラクターなので、運動させてあげてなんぼだと思うのですが、ピラティスを極めていこうと思うとつい姿勢を整えてあげればOKになりがち。(各流派による)
でも1時間のレッスンのビフォーアフターが上の写真じゃ、遅いんですよね。
いかに早く良い姿勢を取らせてあげられるようになって、で、そこで運動して筋肉なり骨なりに動きを学習させてあげるからこそ、その姿勢が日常的に作れるようになっていくわけで、いくらベッドの上で動いて、最後にはい、いい姿勢になったね、ちゃんちゃん。では遅いんだよな、と思うようになりました。
そういう意味で、刺激の強さよりも頻度が大事な神経系エクササイズ(ほとんどのものはシンプルで簡単にできる)を自宅で頻繁にやっておいてもらうことで、勝手にさっきの写真の状態になっておいてもらって、そこで生活しておいてもらうと、次にスタジオにレッスンに来られた時もさらなる変化が早く作っていけるだろうなと思います。
要は、神経学とピラティスってすごく相性がいい。
というか神経学と相性の悪いものは何一つないから、これからピラティスやヨガやスポーツやウェルネス産業の中できっと皆さんも身近に出会っていくようになるのではないかなと推測します。