Yukikoのブログ

新潟市プライベート専門ピラティスStudio Fuu Yukikoのピラティスや日常のこと。プロフィール→http://yukiko-pilates.hatenablog.com/entry/2015/05/13/プロフィール

筋力=筋肉の量ではない

雷に打たれた方の身体を調べてみると、どんなにご老人であっても全身を複雑骨折してしまっている、と言う話をご存知でしょうか。

 

これは雷の電力が脳を刺激することにより脳が普段コントロールしている筋力を抑制する力が働かなくなり、自分の筋肉が自分の骨を砕いてしまうほど強い収縮をしてしまうからだ、と言われています。

 

この話から考えられるのは、自分で立って歩いてトイレやお風呂に入れて普通に日常生活を送っている人の中に、本当に「筋肉不足」の人なんているのだろうか?

ということです。

 

ピラティスを教えていると、体力がないから筋肉をつけたくて…。とか、ダイエットしたいから筋肉をつけたくて…。などというお話をよく伺います。

 

もちろん筋肉を魅せる競技などもありますので一概には言えませんが、少なくとも日常生活を快適に行いたいレベルの、アスリートでも何でもない層には、「今以上の筋肉をつけること」=「生活の質が上がる(筋肉がついて快適に過ごせる)」とは限らないのではないか?と考えてしまいます。

 

ここで大切になってくるのが、「今持っている筋肉は適切にその力を発揮できているのか」という視点です。

自分が持っている筋肉が適切に働けるためには、動作や姿勢を通じて、抑制しすぎてもいけないし、過剰に働きすぎてもいけないという、コントロールの中枢(脳)への理解が必要です。

 

脳の仕事を一言でいえば「自分を守り生き残ること」であるとこれまで言ってきたと思います。

脳は潜在的な脅威を感じている時には自分の身体を必要以上に守ろうとしたり、持つ力を発揮させないでおこう、と選択する場合があります。

 

適切に筋力が発揮できるようになるためには、脳がどんなことに脅威を感じているのかを知り、そこへアプローチをしていくのが一番早いと感じます。

 

例えばですが、今自分の関節はどの位置にあって、どれくらい筋肉を収縮していて、どのくらい圧がかかっていて、皮膚はどの方向へ引っ張られていて…といった体性感覚がクリアでない場合、筋力が適切に発揮できないことが多くあります。

脳の中には自分の身体のマップがあります。

そのマップがクリアでない。

 

考えてみてください。

初めて一人で来た言葉の通じない外国で、地図は持っているけどその地図の印刷が薄くてぼんやりとしか見えない、ところどころ全く見えない。そんな地図を持って、今日泊まるホテルを自分で探さなくてはならない、となったら不安になりませんか。

怪しい(怪しく見える)小道には近づかないでおこうと思いませんか。

実は怪しく見える小道は素敵なカフェやショップが連なる通りかもしれません。でも分からなければ行きませんよね。

まぁ大体の方向に進んでみよう、誰か人に聞いてみようと思っても、だんだん日が暮れて周囲が暗くなってきたら…大丈夫かな、と心配になってきますよね。

 

これが脳の中の潜在的な脅威です。

もしマップがクリアに印刷されていて、人との言語のコミュニケーションが取れて、インターネットも使える状況なら、街歩きを楽しめませんか。

小道に何があるか情報を仕入れ、カフェで一休みしてホテルに向かうこともできます。

あと何分歩けばホテルにたどり着けるか分かっていれば、体力配分も考えやすいです。

 

ボディマップがクリアになっていることで、自由にこの世界で動き回って生きていくことができる。

クリアなボディマップを持っているということは、不要な筋出力の制限をかけることなく、今自分の持っている筋肉の力を十分に発揮していいんだ、と脳が安心している状態だと言えます。

 

ボディマップをクリアにするための手段は、関節をひとつひとつ動かすこと、動きは平面的な動き、直線的な動きよりも、多面的な動きや円を描くような動きが効果的です。

筋力の感覚が分からない時、関節を動かさずに力を入れる、という段階を経て、動きと筋肉のつながりを感じていくことも学びにつながります。

中山きんに君さんが、筋肉に話しかける的なことを言っていますが、今動かしている部分に意識を十分に集中して、何が起きているのか自覚しながら動く、というプロセスを経験していくことで、以前より大きな可動域、大きな力を発揮できるようになっていきます。

 

筋肉の力をその場で瞬時に強くする、というのは、コツを知っていれば普通の人でも意外と簡単にできることです。

大事なのは、その力を発揮できたパターンを学習し、それを積み重ねることで自分への信頼感を増し、大丈夫。の範囲を広げていくことです。

 

具体的に方法を知りたい方は、マニアックすぎてもはやピラティスの範疇を超えた配信もしている「おうちでピラティス」で様々なエクササイズを紹介しています。

ご興味のある方はぜひ。

studiofuu.com

 

もちろん、筋力が発揮できなくなる状況は、食事(食べ方)、睡眠などの生活習慣も深く関わり合います。

動きだけですべてをカバーすることは難しいので、生活全般から考えていくこともとても大切になっていきます。

 

全ての人が全員違う状況で生きていますので、その中で自分にできることはどんなことなのか、私が分かっていると思っていることが氷山のほんの一角であることを自覚しながら、関わって下さる方々の身体を快適にするお手伝いができたらといつも思っています。

 

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GWの初日に山の畑でてんぷらするよ、と聞いて子どもたちと参加してきました。

「毒のあるのは、これとこれ。それ以外はおいしいかどうかは別にして何でも食べて大丈夫」

というざっくりした説明を聞いて、タラの芽やせり、ウド、こごみやたんぽぽ、なんだかよく分からない葉っぱや芽や花を摘んできて、その場で熱い油でジューっと揚げてみんなで頂きました。

 

道端でよく見かける雑草…と思っていた草がこんなにおいしいなんてね。

びっくりでした。

普段葉物野菜をそんなに喜んで食べる方ではない子供たちも、大喜びでたくさん食べて、山の虫やカエルをおいかけて、誰にも怒られずに長い木の枝振り回して遊んで、良き一日になりました。

 

あー外で食べるてんぷらおいしかった…!

またやりたーい!

 

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